連邦警察が最高裁に対し、テメル大統領、エリゼウ・パジーリャ官房長官、モレイラ・フランコ鉱山動力相(いずれも民主運動・MDB)の通話記録の公開を求めていたことが明らかになった。これは、2014年選挙でオデブレヒト社がMDBに払ったとされる1千万レアルの違法献金捜査に関する措置だ。7日付現地紙が報じている。
連警の要請は、オデブレヒト社幹部らが行った報奨付供述(デラソン・プレミアーダ)に基づくものだ。14年選挙での不正献金の話は、テメル氏が副大統領だった時にジャブルー宮でまとまったという。
連警による「電話情報(通話記録)公開」要請は3月に提出されたもので、オデブレヒト社の賄賂支払担当部署から選挙絡みの支払いが行われていたことが確認されている2014年も、対象期間に含まれている。公開要請が認められても会話そのものの内容は復元できないが、通話先の電話番号や通話時間などはつきとめることができる。
連警はさらに、オデブレヒト社からの賄賂を届けたと想定されるオペレーター役の電話番号に関する情報公開も求めているという。
オデブレヒト社幹部らの証言に基づくと、14年選挙に絡んだ、1千万レアルの不正献金に関する賄賂は、リオ・グランデ・ド・スル州在住のオペレーターや、テメル氏の長年の友人でもある弁護士のジョゼ・ユネス氏の事務所を介して、届けられたという。
ユネス氏は今年の3月下旬に、2017年5月にテメル大統領が採択した港湾条例に伴う不正疑惑で、他の3人の容疑者と共に一時逮捕されている。その中には、ユネス氏と同様にかねてからテメル氏の友人として知られ、賄賂の受け取り役が疑われている退役軍人のジョアン・バチスタ・リマ・フィーリョ氏も含まれている。
3月の捜査ではパジーリャ氏やモレイラ氏も対象となったが、検察の捜査要請にはテメル大統領の名前は含まれていなかった。だが、連警が昨年12月に要請した銀行口座の情報公開は、今年3月に最高裁のルイス・アルベルト・バローゾ判事によって許可され、テメル氏の口座も捜査対象とされた。
今回の通話記録の公開要請に関して、テメル氏とパジーリャ氏の弁護人は何も語っていないが、モレイラ氏の弁護人は「何も恐れることはない」と平静さを強調している。最近は、リマ氏の別荘で港湾条例の疑惑企業の名前が記載されたメモが見つかったといった報道も続いていたが、連邦政府は、港湾条例に関する疑惑捜査は「政治的な魂胆で作り上げたものだ」と批判している。
だが、大統領を取り巻く政治スキャンダルによる政府の疲弊や、トラック運転手のスト再開の可能性が取り沙汰されていることが為替の不安定さなどを招き、6日は1ドル=3・90レアル超のドル高状態となった。
トラック運転手らはスト終結の条件のディーゼル油価格0・46レ減の約束が不徹底なことや、輸送料金の見直しが取り沙汰されていることで、いらだっている。