上下両院の合同予算委員会が、2019年の法定最低賃金(以下「最賃」)を月額998レアル(2万8000円相当)にしたと、6、7日付現地紙・サイトが報じた。月額998レアルは、4月12日にテメル大統領が提出した、19年度の連邦予算基本法案(LDP)で算出していた1002レアルより4レアル少ない。なお、今年の最賃は月額954レだ。
最賃は2012年より、2年前の国内総生産(GDP)成長率と、1年前の全国消費者物価指数(INPC)を元に算出されてきた。最賃は年のはじめに調整される。
4月提出のLDPは、今年のINPCを+3・8%に設定して、来年の最賃を算出していた。
予算委員会は、今年のINPCを+3・3%に修正した結果、4月の政府の見込みより4レアル下がる結果になったとしている。最賃は、年金の支払いなど、政府が負担する各支出を決める際の係数的数字でもある。
下院所属の監査官らがまとめた報告書によると、最賃が998レアルとなった場合に、来年の政府関連支出に与える影響は134億レアルとなる。最賃が1002レアルの場合の影響は168億レアルだ。
INPCは今年末まで変動する可能性があるため、政府もその都度、19年の最賃を変更する可能性がある。
だが、「最賃」で最低限度の生活が営めるわけではないことも明記すべきだろう。ブラジルでは平均的な4人家族の場合、食費、住居、医療、教育、衣類、衛生、交通費などを賄うには月額3696・95レアル(10万3500円相当)が必要だと、社会経済調査統計所は試算している。
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