ロシアW杯開幕まで、あと5日。世界中の多くのサッカーファンが開幕を心待ちにしているが、4年前にサッカーの祭典の舞台となったブラジルでは、大会用に建設された一部のスタジアムがほとんど使われなかったり、W杯開催のために建てられた都市整備計画が実行さなかったりと、問題も山積している。
2014年のブラジルW杯の決勝が行われた、リオのマラカナンスタジアム。ブラジルサッカーの代名詞とも言うべきこのスタジアムは、地元チームのフラメンゴやフルミネンセのホームスタジアムとして使われており、クイアバやマナウス、ナタールなどのスタジアムのように、ほとんど使われずに廃墟化するといったことにはなっていない。
だが、スタジアム周辺には問題が多い。W杯や2016年のリオ五輪の時は厳重な警備だった周辺地区は、現在は警察のパトロールも不足しており、スタジアム近くの大学に通う学生は、「強盗に遭わないように気をつけている」と語る。
マラカナンスタジアムのあるマラカナン地区に行きたい人が使える交通手段はまあまあ整っているが、地区住民は、試合のない時の同地区はガランとしてうら寂しく、犯罪に遭いそうで怖いと口を揃える。
調査によると、2014年と2018年を比較すると、携帯電話の盗難事件は3倍以上に増えた他、強盗発生件数は4倍近く、車両の盗難もほぼ3倍になった。
スタジアムに向かう道筋ではないが、地下鉄マラカナン駅から少しはずれたところには、クラックと呼ばれる禁止薬物の中毒患者がたむろする広場がある。
また、駅から直接スタジアムに向かう巨大なスロープやスタジアムの外側を一周する、ランニングコース付の歩道でも強盗が頻発している。
スタジアム周辺に住むフェルナンド・アギアールさんは、孫を連れて散歩がてら、スタジアム周りで身体を動かす事が習慣だったが、今では、いつ犯罪に遭うかと怖れを抱いているという。
アギアールさんは、「こんな事になったのを見るとがっかりだが、W杯や五輪が終われば警備もいなくなるだろうとは思っていた」と語った。(8日付G1サイトより)
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