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中国がブラジル産鶏肉に最大34%の関税=米中貿易摩擦の影響か?

ブラジル南部パラナ州の鶏肉工場(ANPr/SINDIAVIPAR)

ブラジル南部パラナ州の鶏肉工場(ANPr/SINDIAVIPAR)

 中国商務部が7日、ブラジル産の商品の輸入によって国内産業が損失を被っているとの調査結果を受け、9日以降、ブラジル産鶏肉に18・8%から最大34・4%の関税をかけると発表したと、8日付現地紙が報じた。
 この措置は、Seara、Sadia、Perdigao社といった、ブラジル食肉大手にとって大きな損失となる。
 中国の決定は、ブラジルの鶏肉業界がまだ、最近の食肉品質スキャンダルから回復しきっていない難しい時期に下された。また、この決定は、米国が中国に米国産の鶏肉輸入を受け入れるように圧力をかけているタイミングとも一致している。
 米国は種々の輸入品に高関税をかけているが、トランプ大統領は、国際市場において、中国の利益だけが大きすぎると主張。2月には鶏肉への関税減額も受けている。
 ブラジル産鶏肉を輸入する中国企業は、商品を購入する都度、購入額の18・8~34・4%という関税額を現金で納めなくてはならない。
 Seara社製品には18・8%、Sadia、Perdigao社には25・3%の関税がかかる。
 中国は世界最大の鶏肉消費国で、2013~16年の場合、中国が輸入した鶏肉の50%以上はブラジル産だった。
 中国商務部は、「輸出が国内産業に与える被害を調査していた時、中国市場内でブラジル産製品が占める割合やその絶対量は増加の一途だった。一方、中国国内産の製品は市場競争の影響で、価格も下がり、ダメージを受けた」と発表した。