ヤマト商事(高木和博社長)が経営する味噌ラーメン専門店「らーめん和」は、開店10周年を迎えて、6月19日、リベルダーデ店(Rua Tomaz Gonzaga, 51)、パウリスタ店(Alameda Santos, 53)の2店舗で記念特典を準備している。
同社は、移民百周年を記念して2008年6月18日の「移民の日」に東洋街一号店をオープン。これは同店を提携支援する株式会社トライ・インターナショナル(田所史之社長、本社=千葉県)の「海外1号店」となった。
昨年にはビジネス街で賑わうパライーゾの一等地に念願の二号店をオープンさせ、10年間で総来客数は延べ90万人以上に上った。
麺もスープも日本からの直輸入品にこだわる同社。長谷川洋二取締役によれば、輸入コストの上昇にも関らず、「ともかくお客さんに喜んでもらいたくて、この2年間は値上げをせずに何とか瀬戸際で踏ん張ってきた」という。
開店10周年の節目を迎え、「今日があるのは日系社会のおかげ。移民百周年で開店した店だからこそ、移民に対する感謝の気持ちを表わしたかった」と思いを語る。
当日の来客には、トートバック、キーホルダー、ボールなど和オリジナル・グッズの無料配布、プロの写真家による記念撮影ほか、味噌漬けコステーラや飲み物のサービスなど、盛沢山の特典を準備している。
長谷川取締役は、今後の展望について「麺のコストを抑えるためにも、日本以上の品質のものを当地で作れないか検討を重ねていきたい」といい、「地方からもフランチャイズ店を展開したいとの要望もでている。いずれは暖簾分けもできれば」と見通した。
営業時間は、午前11時~午後3時(パウリスタ店は午前11時半から午後3時半)、午後5時半~10時半まで。
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開店1年を迎えた「らーめん和」パウリスタ店。当初は昼時を過ぎると客がまばらとなり、想定を下回っていた。でも「今では認知度が上がってきたことに加え、寒くなってきたこともあり、客足は上々」とか。「寄り道して、お酒を飲める空間にしたい」とのコンセプトで日本酒や焼酎なども取揃えており、顧客の要望に応じてつまみ類も充実していく見通しだという。エスタード紙が昨年末刊行した「パラダール(味覚)」特集号『サンパウロの美食100選 17/18年度版』では、「居酒屋カテゴリー」が新たに追加され、居酒屋ブームが到来しつつある。ラーメンブームに加えて、居酒屋ブームの需要を取り込むことで一石二鳥の策となるか?!