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《ブラジル》最高裁小法廷=マッジ農相の嫌疑を地裁送りに=「裁かれるのは最高裁でだけ」の法的特権の適用条件狭める

小法廷で報告官を務めたルイス・フクス判事(Fabio Rodrigues Pozzebom/Agencia Brasil)

小法廷で報告官を務めたルイス・フクス判事(Fabio Rodrigues Pozzebom/Agencia Brasil)

 連邦最高裁判所(STF)第1小法廷は12日、「要職者はSTFでのみ裁かれる」との法的特権(foro privilegiado・FP)の適用条件の幅を狭め、現職大臣たちも「任期中に犯した、職責と関わりのある犯罪に対する嫌疑でのみ、STFで裁かれる」とする原則を、判事投票4対1で決定したと、13日付現地各紙が報じた。

 この決定は5月にSTF本審理で下した、「上下両院連邦議員は、任期中で、職責と関わりのある犯罪に関する嫌疑でのみSTFで裁かれ、任期外や、職責と関係がない犯罪(例・暴行などの軽犯罪)の嫌疑は第一審担当裁判所で裁かれる」という判決内容を、現職閣僚や州知事、会計検査員にも当てはめたものだ。
 これで、現農務大臣のブライロ・マッジ氏がかけられていた、マット・グロッソ州知事時代の2009年に犯した汚職疑惑の捜査や審理は、マット・グロッソ州地裁の担当となった。この嫌疑は、当時同州州議だったセルジオ・デ・アルメイダ氏(現在はマット・グロッソ州会計監査局顧問)にもかけられている。同氏には資金洗浄の疑いもかけられている。
 議員や大臣たちはこれまで、「STFでしか裁かれない」という特権を盾に、裁判までの時間を稼ぎ、断罪を免れていたが、任期外の犯罪の嫌疑は、STFより審理にかけられるまでスピードが早い、地方裁などで裁かれる事となる。
 マッジ農相の弁護士のファビオ・メジーナ氏は、「マッジ農相は以前より政界引退を決めており、もともとFPを誰にでも適用する事に反対していた。STFの決定を平静に受け止めている」とコメント。アルメイダ氏の弁護士は、「係争の場がSTFから麻州地裁に変わっても、無実を求めて争う姿勢に変わりはない」とした。
 現時点ではSTFが預かっているが、地裁送りになる可能性がある他の大臣級捜査対象者は、アロイジオ・ヌネス外相、ジルベルト・カサビ科学技術通信相、モレイラ・フランコ鉱山動力相、エリゼウ・パジーリャ官房長官だ。マッジ農相はさらに2件の捜査の対象となっている。
 マッジ農相の嫌疑に関する決定は、本審理ではなく、STF第1小法廷で下されたため、他の大臣の嫌疑をどう扱うかは各判事または各小法廷が判断することになる。
 弁護士のダニエル・ファルコン氏は、「5月のSTFで大筋は示されており、12日の第1小法廷の決定は予想通り。第2小法廷がこの方針に反するとは考えにくい」と語った。