サンパウロ州の水がめであるカンタレイラ水系始め、主要5水系の水位が2014/15年の水危機前を下回っており、新たな水危機に陥らないためには水源確保や節水などの努力が必要と13日付現地紙が報じた。
12日現在で比べた場合、カンタレイラ水系の貯水量は45・7%で、水危機前の13年同日の58・9%を13・2%ポイント下回っている。
アウト・チエテは58・3%(13年は63・4%、以下同)、グアラピランガは76・5%(84・7%)、アウト・コチアは74・7%(99・1%)、リオ・グランデは78・5%(94・4%)、リオ・クラーロは89・4%(102%)だ。
水位と共に関係者が案ずるのは、各水系に流れ込む水の量だ。カンタレイラの場合、5月の流入量は1万3700リットル/秒で、例年の月間平均3万7500リットル/秒の約3分の1で、水危機の最中の2014年5月の1万100リットル/秒に近かった。流入量が月間平均値を下回る状態は17カ月間続いており、特に、少雨だった3~5月は14年並みに落ち込んでいた。
これに対し、サンパウロ州水道公社(Sapesp)は、先回の水危機の際に行った水系間を繋ぐ工事などにより、少雨傾向が続いても、2019年末までは水危機は起こらないとの見解を表明した。同公社によれば、サンパウロ大都市圏2100万人が消費する水の量は減っており、1~2月の水生産量(浄水化して送り出した量)は6万900リットル/秒だったという。水危機が始まった頃の水生産量は7万1400リットル/秒だった。
また、先回の水危機以降、カンタレイラ水系の取水や放水のあり方、各水系からの水の供給地域などは変化しており、冬の間の雨量が減っても先回のような危機は起きないと見る専門家もいる。
今後の気候の変化に関する情報がまだまとまっていない事などもあり、前回のような水危機に陥るか否かの判断を下すのは時期尚早との声もあるが、州立カンピーナス大学のアントニオ・カルロス・ズッフォ教授は、2008年からの少雨傾向は30年間続く可能性があるとした上で、チエテ川浄化などで取水源を増やす工夫も必要だと警鐘を鳴らしている。