米国大使館主催、全国教育局長審議会(Censed)と全国の州教育局共催の第17回「青年大使計画」が、今年も19日から3週間の計画で実施される。
参加者は15~18歳の公立高校生50人だ。同計画は、経済的に留学なぞ望めない家庭の一員で、コミュニティの中で他の人達と違う一面を見せている高校生達に、米国の高校生達を知ってもらい、かつ、自分達のタレントに気づいてもらう事を目的にしている。
米国側は、参加者が留学体験を通してリーダーシップを身につけ、知識の幅を広げると共に、「彼らが成功する事で、他の青年達にも新たな機会を与える事が出来るように」と願っている。
青年大使計画への参加は、成績優秀で、英語が話せる事、最低1年間はボランティア活動に従事している事が条件だ。来年度の募集は8月12日で締め切られる。
過去16回のプログラムには572人が参加。大半の参加者は、飛行機で外国に行く事など夢にも思えない環境で育ったが、計画参加後は、自分達が望みさえすれば、どんな高みにも届く事が出来、他の人の生涯にも違いを生み出せると確信して帰ってくる。
経済学と政治学を専攻したジオヴァニ・ロッシャ氏(26)は2009年のプログラム参加者だ。リオ市郊外に住む黒人で、家内労働者と自動車修理工助手の息子という環境で育ったが、同計画参加後は、他の青年達にも自分と同様の機会を持って欲しいと願いながら帰国したという。
ロッシャ氏は高校卒業後、奨学金を得て、リオ市内の私立の大学に入学した。学生150人中、黒人は2人だけ。皆が「お前だけが全体のプロフィールから外れている」と言ったが、「自分の役割は、貧しい環境にある黒人青年達が、自分と同じようなチャンスに預かれるように道備えをする事だ」と自覚していたという。
目標実現のため、「明日のリーダー」というプロジェクトにもボランティアとして参加。世界銀行コンサルタントとして働き、教育省の高校課程改革も支援した。同氏は米国の大学の奨学金を受けて修士課程に入る事になっており、8月に米国に行く。大学院では、ブラジルの公的政治と人種差別、その影響について研究する。
2013年に同計画に参加。これまでとは違う何かをしたいと願い、現在は法学を学ぶイスラエル・ロッシャ氏(22)は、サンタカタリーナ州フロリアノポリス市の貧しい家庭出身だ。「どうやって自分の経験を他の青年達に伝えようかと思いながら帰ってきた。このプロジェクトを通し、夢を信じ、更に先に進む事を夢見る事が出来るようになった」という。
高校卒業後は同州の連邦大学に入学。ペルーのアレキッパで強姦などの被害に遭った少女達に個人擁護に関する講義を行い、ブラジルでは学校教育の中で社会統合を進める団体を設立。ニューヨーク国連本部で、教育への権利についての会議も開いた。中国政府の招きで、同国内で教育目的のツアーも計画した。
ラリッサ・モレイラ氏(21)は2014年の参加者で、青年大使計画が「自分の人生を劇的に変えた」と語る。彼女も帰国後、サンパウロ州アメリカーナス市の大学に入学。国際交渉について学びたいと申請したところ、奨学金を得、米国マサチューセッツ州のボブソン大学で学ぶ事になった。「私が教育に興味があり、教育関係の働きこそが自分の天職だと気づいたのは、青年大使計画のおかげ」というラリッサさんは、中流家庭や貧困家庭の学生を国外の大学で学ばせる、ignitEDと名のプロジェクトの企画責任者だ。
同計画の詳細はhttps://www.facebook.com/JovensEmbaixadores/で確認を。(18日付アジェンシア・ブラジルより)