米中の貿易戦争一段と激化=ブラジルも影響避けられず=コモディティ価格下落か=大豆輸出などで利点あるも

【既報関連】米国が鉄鋼製品やアルミ製品に高関税を課すと発表して以来、険悪になっていた米中間の貿易関係が一段と悪化し、米国が15日に新たな関税設置を決めた。これに対し、中国も同日中に報復措置を発表し、ブラジルはおろか、世界経済にも懸念が及ぶ事態に発展しそうだと16日付伯字紙が報じた。
米国のトランプ政権が決めたのは、ハイテク製品を中心とした中国製品818品目に25%(総額500億ドル相当)の輸入関税を課す事だ。
米国はシリコンバレーのハイテク技術を指しながら、この措置は「王冠の宝石を守るため」と擁護した。また、それと同時に、中国が報復措置を採った場合には高関税を課す品目を増やす意向である事も発表した。
米国が自国の技術や産業を保護するために関税を引き上げた項目には、タッチスクリーンやバッテリー、航空機、船舶、自動車用エンジン、レーダー、医療用診断機器、農業機械などが含まれている。ただし、携帯電話やテレビ、医薬品など、個人が輸入する品目は対象から外した。
これに対し、中国政府は即座に、報復措置として、米国商品589品目に同額の関税を課すと発表した。ロボットや情報処理に関連した技術や製品、航空・宇宙関連の資材、電気自動車などは、中国が「中国製2025年」と銘打ったプロジェクトで開発を促進している分野だからだ。
世界経済を牽引している二大大国による貿易戦争は、中国側が米国産の大豆や牛肉、鶏肉、オレンジジュースなどに替えて、ブラジル産商品を購入するなど、特定分野でブラジルを利する可能性が高い。
だが、中国は米国製品を輸入する以上に米国に製品を輸出しており、当面は中国の方が失うものが大きいと見られ、中国の景気後退にも繋がりかねない。二大大国の貿易戦争が世界経済を冷え込ませれば、原材料のコモディティ価格の下落も招くと懸念されている。
事実、15日の世界市場での大豆価格は下落した。ただ、ブラジル産大豆に関しては、中国が米国産大豆に高関税を課す意向である事で、価格が上昇した。中国は米国産大豆の50%を輸入しているからだ。だが、この傾向が今後、どのように推移するかは予想が難しい。
また、7月6日に両国が高関税を導入すれば、鉄鉱石その他のコモディティ価格下落は必至と見られており、コモディティ輸出への依存度が工業製品輸出への依存度より高いブラジルには、より不利な状況が生じる。
15日の両国の高関税導入発表後、世界の株式市場指数は、サンパウロ平均株価指数の0・93%など、0・19%~1・91%下落した。同様の傾向は、中国が4月に、米国製品128品目に対する関税を25%まで引き上げると発表した時にも起きた。この時のサンパウロ株式指数は0・82%下落した。
米国企業は中国政府と共に米国政府に苦言を呈したが、トランプ政権支持層は今回の決定を歓迎しているという。