10月7日に行われる統一選。この日は大統領だけでなく、州知事、上下両院の連邦議員、州議会議員の選挙も行われる。州知事に女性候補が少ない事、再選狙いの上議の多さなど、大統領選以外でも注目される動きについて、16~18日付現地各紙が報じた。
テメル大統領の民主運動(MDB)、ジェラウド・アウキミン氏の民主社会党(PSDB)、ジャイール・ボルソナロ氏の自由社会党(PSL)は、主要政策こそ差があるが、「党が擁立する州知事候補に、女性が1人しかいない」という共通点がある。この3党は現在までに合計42人の州知事候補擁立を表明しているが、女性はその中で3人と10%にも満たない。
他の党の状況も大差はない。現在までに判明している州知事選、連邦直轄区知事選への立候補予定者全175人中、女性は15・4%の27人のみだ。10年の統一選での女性候補者比率は10%、14年の統一選では12%だったから、伸びは微々たるものだ。
知事候補を擁立する25政党の内、14政党が、19の州と連邦直轄区での知事選に女性候補を擁立している。
バイーア州連邦大学教授のテレーザ・サシェッチ教授は、「女性候補をもっと擁立する事を義務付ける法律がない限り、この傾向は続く。政党幹部は男性が多いし、男性の方がより〃顔が効く〃と考えられているからだ」と語る。
連邦上院議会は総議席数が108で、今年は半数の54議席が改選される。今年で任期が切れる上議54人の内、少なくとも35人(65%)は再出馬の意向を示している。この比率は過去24年間で最高だ。残り19人の内、7人は知事選に出馬する予定で、7人はまだ迷っている。立候補しないと決めているのは5人だけだった。
この傾向は、513議席が全員改選される下院も同様で、4月の調査では87・1%の447人が再出馬の意向だった。
汚職捜査ラヴァ・ジャット(LJ)作戦では、今年が改選期にあたる54人の上議の内、24人に嫌疑がかかっているが、内17人は再出馬の意向だ。その中には政府上院リーダーで、今年も当選すれば任期が連続32年となるロメロ・ジュカー氏(MDB)やPSDB元党首のアエシオ・ネーヴェス氏も含まれており、現地紙は両者を「疑惑のチャンピオン」と評している。
PSDB現党首で、大統領選候補者のジェラウド・アウキミン氏はアエシオ氏に政界引退を勧める発言をしているが、アエシオ氏は、下院に鞍替えしてでも政界には残りたい様子だ。
労働者党(PT)党首のグレイシー・ホフマン上議も、LJで被告になりながら、政界でのポスト確保に動いている。彼女も当落の可能性を考えて、下院に鞍替えする可能性がある。
だが、PT内では、同党が大統領候補にルーラ前大統領を立てるなら、「ホフマン氏は副大統領候補として共に立つのが筋」との声も出ている。