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ブラジル株=7万ポイント前後でもみ合い=9万ポイント越えを窺う勢いは消失

 18日のサンパウロ市株式市場指数(Ibovespa)は、4営業日連続の前日割れとなるマイナス1・33%を記録。終値は6万9814・73ポイントで、昨年8月以来、初めて7万ポイントを割り込んだと、19日付現地各紙が報じた。
 5月下旬のトラックスト発生以降の株価急落は、投資家らがブラジル経済に悲観的な見通しを持っている事、残り4カ月を切った大統領選の見通しが不透明な事の表れだ。
 株安には国外要因の米中貿易摩擦も関係している。米国が500億ドル相当の中国製品輸入への追加関税を発表した15日以降、中国の報復、米国による更なる2千億ドル相当の品目への関税発表と、両国関係は〃泥仕合〃の様相を呈している。これには世界中の株式市場も影響を受け、15日ならびに、週明け18日の世界市場が軒並み下落した。
 金融商品取引会社H・Commcor社変動利付証券部長のアリ・サントス氏は、「ブラジルの国内情勢が不透明さを増したタイミングで、米中貿易摩擦が深刻化してしまった」と言う。同氏によると、ブラジル株式市場には10月の大統領挙の行方が判明するまで下方圧力がかかり続ける見込みだ。
 なお、19日のIbovespaは、午後5時の段階で、前日比2・5%アップの7万1559・0Pで推移した。
 市場関係者たちは、数日間値下がりが続いていた大手銀行株が反発して上げを記録したことや、下院で、カダストロ・ポジチーボ(優良債務者への優遇措置)承認の可能性が高まっている事を理由にあげている。