大型汚職捜査ラヴァ・ジャット(LJ)作戦の最高裁(STF)での報告官、エジソン・ファキン判事が22日、4月から服役中のルーラ元大統領が提出した保釈を求める訴えを、STF第2法廷での審議予定項目から外したと23日付現地各紙が報じた。
ルーラ氏は、サンパウロ州沿岸部グアルジャー市の高級三層住宅に伴う収賄、資金洗浄の罪に問われ、今年1月に、2審担当の第4連邦地域裁(TRF―4)で禁錮12年1カ月の有罪判決を受けた。また、TRF―4への異議申し立てが棄却されたことで、今年の4月7日から服役している。
ルーラ氏の弁護団は4月24日にTRF―4に再度、意義を申し立て、同件を高等裁(STJ)とSTFに送るよう求めていたが、22日にはTRF―4のマリア・ラバレーレ副長官が、同件をSTFではなく、STJに送ることを決定した。
「(26日にSTFで予定されていた)ルーラ元大統領の上告審理を差し止める」とのファキン判事の決定は、STF―4のラバレーレ副長官の決定直後に出された。
第2小法廷でのルーラ氏の上告審理は26日と決まって以降、「STF第2小法廷はジアス・トフォリ、ジウマール・メンデス、リカルド・レヴァンドフスキら、第2審後の刑執行に反対していた判事が多数派で、元大統領を自宅禁錮刑に切り替えうる」との見方が強まっていた。ファキン判事は結果的に、TRF―4の判断を理由にそれを阻止したことになる。
ルーラ弁護団は「多くの法的手続きに瑕疵がある」とし、自宅禁錮刑への切り替えだけでなく、禁錮12年1カ月の刑罰の実行延期と、ルーラ氏の大統領選出馬資格〃取り消しの取り消し〃(つまり、ルーラ元大統領の大統領選出馬)も狙っていた。弁護側は、ファキン判事の決定に異議を申し立てる意向だ。
パロッシ供述を捜査活用へ=地域裁が司法取引承認
22日は、LJ作戦の進展に関し、もう一つ重要な動きがあった。労働者党(PT)政権で、財相や官房長官を歴任したアントニオ・パロッシ被告が連警と結んでいた報奨付供述(司法取引)が、TRF―4のLJ作戦担当判事ジョアン・ジェブラン・ネット氏によって承認されたのだ。
これまでは「報奨付供述は、容疑者と検察の間でだけ結べる」とされていたが、20日にSTF大法廷において「報奨付供述は警察とも結べる」との決定が出たことで、TRF―4によるパロッシ供述承認となった。
16年9月より身柄を拘束され、昨年は収賄と資金洗浄の罪で禁錮12年2カ月の判決を受けたパロッシ被告が連警に提出した情報は、TRF―4扱いの機密事項となっている。
長年、PT政権の中枢にいた同氏の供述によって、さらに多くの、汚職政治家、企業、金融機関の名前が明らかになると見られている。