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《ブラジル》5月輸出高=ストの影響で前年比減少=回復ペースもまだ段階的

 ブラジル中銀が25日、5月の月間貿易収支は7億2900万ドルの黒字だったと発表したと、26日付現地紙が報じた。
 これは中銀が事前に予測した黒字25億ドルの29・2%に過ぎず、5月21日~31日のトラックストで国中の物流が大混乱を起こした影響が如実に出ている。ストの影響で農産物などの輸出品が港に届かず、外国に出荷できなかったのだ。
 中銀のフェルナンド・ロシャ統計部長は、「今年5月の輸出高は、トラックストの影響で昨年5月比で2・8%減少した。輸出高で前の年を下回るのは2016年12月以来」と語った。
 5月の輸出高は56億ドルだった。これはストの影響が出る前の第3週までの輸出が大半を占めている。輸出が減ったせいで、ブラジルの外貨収入も減った。
 ロシャ氏はまた、「6月に入ってストが終結したが、輸出の回復は段階的だ。6月第1、第2週の輸出は、スト発生前のレベルに戻っていない」と語った。
 今年1月~5月は40億2千万ドルの貿易赤字を記録していたが、これには、今年5月までに国外から投入された直接投資の233億ドルが計上されていない。
 中銀は、ブラジル国外でのブラジル人旅行者の総支出のデータも出した。それによると、今年5月の旅行支出は昨年5月比8%増で、1月~4月までの昨年同期比11%増と比べて伸び幅が落ちた。ここには5月以降のドル高の影響が出ている。