W杯日本代表がロシアで熱い戦いを繰り広げていたとき、遠くサンパウロでも選手たちに熱い声援が送られていた。対セネガル戦の観戦会が24日、サンパウロ市のジャパン・ハウス(JH)や岩手県人会館など数カ所で開催された。特にJHには200人以上が応援に駆けつけ、試合終了後、引き分けに持ち込んで善戦した日本代表に大きな拍手が送られた。28日のポーランド戦の結果が引き分け以上なら間違いなく、2大会ぶり3度目の決勝トーナメント進出が決まる。
「ウワ――ッ!」本田選手が後半に追加点を決めた瞬間、ジャパン・ハウス中に地響きと共に大歓声が響いた。
大画面をかぶりつきで観戦していた野口泰在聖総領事、ジャパン・ハウスの平田アンジェラ前館長、文協の呉屋春美会長らも青春時代に戻ったかのようにハイタッチで喜んだ。
日曜の昼とあって、進出日本企業の駐在員家族やブラジル人のサッカーファンが200人以上が集まった。ブラジルのテレビ局数局の関係者も来て、日本人が母国のチームを応援する様子を取材。終始にカメラを回し、試合後には興奮気味のファンに話を聞いていた。
駐在員の高橋繁洋さんと妻・康子さんは「家で観るよりみんなで見たほうが楽しい」と言う。「試合内容が良かった。1点目を入れられてこのまま負けると思ったけど、追いついたのはすごい」と笑顔で話した。
よく東洋街に遊びに来るというジュリアナ・アルメイダ・デシモニさん(33)は、4年前、文協で開催された日本代表戦の観戦会にも参加していた。「4年前よりずっと強い。このままグループリーグ突破よ!」と両拳を突き上げた。
一方、東洋街の岩手県人会は初戦に続き観戦会を行い、普段から県人会に縁のある人を中心に20人ほどが集まった。おにぎりや卵焼き、酒類などを持ち寄り、試合の30分前からわいわいと食べ始めた。
千田照子さん(77、二世)は、「日本が勝つようにお酒を飲んで景気付けよ!」と言ってビールをあおった。試合前半には蕎麦も用意され、皆ですすった。
日本代表のユニフォームを着て応援した青年部の多田正樹フラビオさん(24、3世)は「もし日本とブラジルが決勝で戦うことになったら、両方応援する。でも県人会のみんなが盛り上がっているから、日本のほうをより応援するかもね」と笑って話した。
10代前半に家族と移住してきた武田春雄さん(75、福島県)は、「サッカー見るのはW杯のときぐらい。ブラジルのサッカーは負けたら選手もファンも荒れるだろ。あれが嫌いなんだよ」と話す。「日本にはぜひ勝ち進んで欲しい」とし、仲間たちとの歓談を楽しみながら応援した。
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日本代表の第3戦対ポーランド戦は28日(木)午前11時から行われ、JHと岩手県人会は引き続き観戦会を開催する予定だ。しかし、試合開始時間は平日の昼。第2戦を観戦した駐在員の中には「オフィスが近いから昼休みを使ってJHに行けるかも」との声が聞こえた。日本の決勝トーナメント進出をかけた大事な一戦なだけに、昼食抜きにしても見逃せない!?