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ブラジル人親子再会へ協力要請=米国のペンス副大統領ブラジル訪問で=帰国のための飛行機派遣も

テメル、ブラジル大統領(左)と、ペンス、アメリカ副大統領(右)(Alan Santos/PR)

テメル、ブラジル大統領(左)と、ペンス、アメリカ副大統領(右)(Alan Santos/PR)

 【既報関連】米国に子連れで不法入国を試みたブラジル人が逮捕され、親と引き離されて勾留されている子供が51人もいる事が判明し、ブラジル・アメリカの両国関係が微妙な緊張状態にある中、米国のマイク・ペンス副大統領が26日にブラジルを訪れ、テメル大統領と会談したと、26、27日付ブラジル現地各紙・サイトが報じた。

 テメル大統領は、米国でブラジル人の子供が親と隔離されて勾留されている事態に触れ、子供たちの親が望むのであれば、子供たちを帰国させるための飛行機を派遣してもよいと語ったが、派遣の日時や米国側からの返事は明らかになっていない。
 セルジオ・アマラウ在ワシントン、ブラジル大使によると、米国で勾留されている子供たちの名前や所在地などの公式情報は得られていない。「ブラジル人の子供51人」の情報は、米当局が知らせてきた49人に、在米各所のブラジル総領事館が行った調査結果を加えたものだ。
 また、それらの子供の所在を明らかにしたとしても、米国に勾留され、裁判を待つ身の子供の親や保護者が子供のブラジル帰国を望むかという問題もある。「おばが既に合法的に米国に在住しており、そのまま米国滞在が認められるかも知れない」状況にある子供もいるという。
 テメル大統領は会談後、記者団に「これはブラジル社会にとって極めて繊細な問題であるとペンス副大統領に伝え、ブラジル人親子が再会できるように特別な配慮を要請した」と語った。

ベネズエラへの対応に注文つけられ

 ブラジル人親子の問題のほかに、ペンス副大統領は、ベネズエラ難民問題にも触れた。
 同副大統領は、ブラジルが行っているベネズエラ難民救済措置を評価し、さらに、ブラジルが主導権を発揮して行った、南米南部共同市場(メルコスール)や米州機構(OAS)からのベネズエラ追放措置も賞賛したが、「ベネズエラのマドゥーロ政権を孤立させるため、我が米国は、ブラジルやラテン・アメリカの自由主義諸国に一層真摯な取り組みを要求する」と注文をつけた。
 同副大統領は、「ベネズエラ国民は抑圧されている。ベネズエラは国家解体の危機にあり、その事は周辺諸国に確実に影響を与えている。ベネズエラ政府は周辺諸国からの人道援助さえ拒絶し、自国民の命を危険に晒している。既に200万人以上のベネズエラ民が国から逃れている」と続けた。
 テメル大統領も、母国を去らなくてはならなくなったベネズエラ難民の人権を尊重しており、ブラジル政府は受け入れのために多大なる努力をしていると強調し、マドゥーロ政権が引き起こしている人道危機を嘆かわしい事態と評した。
 両者の会談後、ブラジルのアロイジオ・ヌネス外相は、ペンス副大統領の要請に対し、「ブラジル側は、ベネズエラへの制裁の是非、程度、期間などの具体的な問題はOASで扱われるべきと認識しており、ブラジル単独での行動は差し控えたい」と語った。
 ペンス副大統領は26日に、ベネズエラ難民救済措置に100億ドルの追加援助を行い、その内12億ドルはブラジルに割り当てると発表。27日には、マナウスのベネズエラ人難民収容施設を訪問した。