最高裁のアレッシャンドレ・デ・モラエス判事が29日、ルーラ元大統領弁護団が提出した、元大統領の保釈(軟禁)要請を大法廷で審理するというエジソン・ファキン判事の判断見直しと、この要請を第2小法廷で審理するようにとの異議申し立てを棄却した。
ファキン判事の判断は22日に下され、28日の大法廷では、検察庁の意見書が出ていないにも関わらず、ルーラ氏の保釈問題の審理開始を許可するという異例の判断も下った。(大法廷は29日から休廷となったため、審理は8月以降)
これに対し、ルーラ氏の弁護団は28日に、ファキン判事の判断を見直し、第2小法廷で保釈要請を審理するよう申し立てていた。
この異議申し立ての報告官となったのがモラエス判事で、報告官に選ばれた29日の内に、異議申し立てを棄却した。第2小法廷は、立て続けに被告や容疑者寄りの判断を下し、ラヴァ・ジャット作戦の報告官であるエジソン・ファキン判事の判断が覆される状態が続いていた。
ファキン判事は28日の大法廷で、ルーラ氏の出馬問題は、複数の判事による判決で有罪となった場合は刑期終了後8年間は出馬できないとしたフィッシャ・リンパ法に関するものだから、大法廷で審理すべきだと判断したと説明した。同判事は、保釈問題は出馬問題の審理終了後に審理する意向も明らかにしている。
これに対し、ルーラ氏の弁護団は、元大統領がフィッシャ・リンパ法に触れるか否かの審理は要請していない事も理由にし、ファキン判事の判断の見直しを求めていた。
ルーラ氏は、クリチバの連邦地裁で有罪判決を受けた後、第4地域裁の異議を申し立てたが、第4地域裁でも、12年1カ月の実刑判決が出た上、同裁への異議申し立ても棄却された。第4地域裁は3人の判事によって判決を下しており、この場合はフィッシャ・リンパ法の対象となる。
ルーラ氏は第4地域裁での2審結審後、高等裁と最高裁に異議を申し立てていたが、第4地域裁副長官は高等裁への特別上訴だけを認めた。特別上訴や最高裁への特別抗告が認められた場合は、暫定令で出馬が認められる可能性も残っている。(29日付アジェンシア・ブラジル、G1サイトなどより)