ジアス・トフォリ最高裁(STF)判事は2日、連邦地裁のセルジオ・モロ判事が出していた、ジョゼ・ジルセウ元官房長官への電子足輪装着義務を取り消したと、3日付現地各紙が報じている。
ジルセウ氏は労働者党(PT)のルーラ政権時代に官房長官を務め、汚職捜査ラヴァ・ジャット(LJ)作戦の第2審で、収賄と資金洗浄、犯罪組織形成容疑により、禁固30年9カ月の実刑判決を受けた。第2審への異議申し立ては5月17日に却下されている。
ジルセウ氏は2015年8月~昨年5月に続き、5月18日から2度目の投獄となったが、弁護側がSTFに異議を申し立てたことで、STF第2小法廷が6月26日に、「STFによる審理が終わるまで、ジルセウ被告は自由の身でそれを待つ事が出来る」とし、同被告に人身保護令を与えた。ジルセウ被告は6月27日の未明に保釈されていた。
LJ作戦関連案件担当判事のセルジオ・モロ判事は、ジルセウ被告保釈を受け、6月29日に、居場所を司法当局に自動的に知らせる電子足輪を付ける事や、国外への渡航禁止、容疑者同士の連絡禁止などを決め、5日以内にクリチバに出頭するよう通達していた。
だが、トフォリ判事はそれを、「STF第2小法廷の決定に対する明確な反抗」とし、電子足輪装着義務を解除した。
トフォリ判事は同日、元都市相のブルーノ・アラウージョ下議(民主社会党・PSDB)に関する汚職捜査と、ダニエル・ヴィレラ下議(民主運動・MDB)と同下議の父、ルイス・ヴィレラ元上議に関する2重帳簿疑惑の捜査を打ち切りとする決定も行った。
ブルーノ・アラウージョ下議には、「2010年と12年に、建設大手オデブレヒト社から60万レアルに及ぶ闇献金を受け、同社の利益にかなうように議会で行動した」という嫌疑がかかっていたが、15カ月に及ぶ捜査にも関わらず、疑惑を裏付ける証拠は出てこなかったとトフォリ判事は判断した。
ヴィレラ父子への2重帳簿疑惑もオデブレヒト社の報奨付供述を基に捜査が進められていたもので、同父子の弁護側は、「トフォリ判事は『永遠に続く捜査はあってはならない』と理解している」と語っている。
トフォリ判事は9月から、カルメン・ルシア現長官の後を継ぎ、STF長官に就任する。同判事は2009年、当時のルーラ大統領により、STF判事に任命された。
同判事はルーラ氏の選挙戦(1998年、2002年、2006年)でPTの弁護士を務めた。ルーラ政権の2003~05年は官房庁法務部門副主任、07年からは総弁護庁(AGU)長官を務めた後、STF判事となった。
タグ:PT PSDB PSD 汚職 ルーラ 写真ニュース ラヴァ・ジャット セルジオ・モロ クリチバ