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《ブラジル》5月の工業生産11%減=トラックストの影響直撃!=貿易関係は徐々に回復

パラナグア港に集められた輸出用の乗用車(参考映像、Ivan Bueno)

パラナグア港に集められた輸出用の乗用車(参考映像、Ivan Bueno)

 ブラジル地理統計院(IBGE)が4日、5月の工業生産は前月比10・9%減、昨年同月比6・6%減だったと発表。これにより、12カ月間続いていた前年同月比増の記録は途絶えたと、同日付現地紙サイトが報じた。
 前月比10・9%という大幅な工業生産低下は、2008年12月の11・2%減に次ぐものだ。IBGEは、5月21日から11日間続いたトラックストの影響と見ている。
 スト期間中は、原材料が届かない、出来た製品を届けられない、従業員が出社出来ないといった諸要因が重なり、多くの業界で集団休暇も含めた生産調整が行われた。
 生産量が落ちたものの代表は車と食品類で、自動車やトレーラーなどの生産は29・8%減(耐久消費財全体は27・4%減)となった。
 また、食品類は17・1%減、飲料類も18・1%減となった。その他の項目も、紙・セルロース13・0%、衣類や装飾品15・4%、化学製品5・6%、金属製品10・5%など、軒並み減少。26部門中で生産が増えたのは、鉱業の2・3%と石油・バイオ燃料の6・3%のみだった。
 他方、トラックストで輸送や生産が止まった事で停滞していた貿易は、輸入、輸出の順で回復を見せている。
 3日の商工開発サービス省の発表によると、輸入は6月第2週にトラックスト開始前の水準に回復したが、輸出は第3週になってやっと、スト前の水準に戻ったという。
 同省によると、スト前の輸出は週平均10億ドルだったが、5月第3週は6億9900万ドル、第4週は6億4200万ドルに落ち込んだ。6月も第1週は7億3800万ドル、第2週も8億1200万ドルだったが、第3週は11億1500万ドルとなり、10億ドルの大台に戻った。
 輸入の方は、スト前の7億ドルに対し、5月第3週が5億5千万ドル、第4週が4億5900万ドル、6月第1週が4億400万ドルだったが、6月第2週は7億900万ドルに回復した。
 輸入が先に回復した事もあり、6月の貿易収支は58億8200万ドルの黒字に止まった。昨年同月は71億8400万ドルの黒字で、黒字額は18・1%縮小した。
 上半期全体では、景気回復に伴う機械や設備の購入増加などを反映し、輸入が1営業日平均で17・2%増の837億7900万ドルに達した。
 だが、輸出は、鉄鉱石やセルロース、大豆、豆カスなどが輸出記録を更新したにも関わらず、昨年同期比5・7%増の1138億3400万ドルに止まり、貿易収支も、昨年同期比17%減の300億5500万ドルの黒字に終わった。