下院の憲政委員会(CCJ)は3日、最高裁の判事が単独で諸法令を判断し、「憲法理解に抵触する」などの理由で停止することを禁止する法案を承認したと、4日付現地各紙が報じた。
ブラジル司法界には、法律の制定または訂正が憲法に抵触していないかを最高裁が判断する、憲法違反直接訴訟(ADI)や、社会規範違反に関する意見書(ADPF)というシステムがある。CCJが3日に承認した法案は、最高裁の判事が〃単独で〃、ADIやADPFの判断をすることを禁じるものだ。
同法案の提唱者、ルーベンス・ペレイラ・ジュニオル下議(共産党・PCdoB)は、「これは議会が最高裁の単独主義に対して投げかけた疑問符。現行の仕組みは良いものではない。法の不安定さに繋がる」と語る。
最近では、リカルド・レヴァンドフスキ判事が連邦政府、州政府、市に対して、議会承認なしで公社民営化を行うことを禁じる予備判決を出した。今回の法案が成立すると、こうした行為そのものが禁じられる。
CCJを通過した法案によると、このような場合は、案件を合計11人の判事がいる、大法廷にかけなければならなくなる。
議会承認なしでの公社民営化を禁ずる予備判決は大きな反響を呼び、カルロス・マルーン総務室長官などは先週、「予備判決だなんだと、最高裁とはいえ、1人の判事の一声で物事が左右されるのは間違っている」と強く批判した。レヴァンドフスキ判事は6月29日に、同件についての公聴会実施を決めている。
下院CCJでは5月下旬より同法案承認ムードが濃厚だったが、最終的な条文案採決は3日まで延びた。下院議員からの要請がない限り、同法案の下院採決は行われず、下院採決を飛ばして上院での審議に入る。
同法案には、ADI、ADPFは「最高裁の大法廷での多数決で判断される」と記されている。