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オデブレヒト=ブラジルとレニエンシア合意=22年で27億レを支払う

 3年に及ぶ交渉の末、汚職撲滅省、国庫庁(CGU)、総弁護庁(AGU)は、建設大手のオデブレヒト(O)社と27億2千万レアルに及ぶレニエンシア合意を結んだと、10日付現地各紙が報じた。
 レニエンシアは〃企業版の報奨付供述〃と呼ばれ、犯罪行為を行った企業が事実を認め、共犯者その他の嫌疑に関連した情報や証拠を提出して捜査に協力する対価として、刑事罰の免除や引き下げを得るものだ。O社は今後22年かけて27億2千万レアルを支払うことで、公共事業への入札参加が認められる。
 連邦会計検査院(TCU)はレニエンシア合意に参加しておらず、レニエンシアそのものに反対しており、11日には、合意の無効を求める請願書の判定を行う。TCUの不満は、CGUやAGUがO社から得た情報をTCUに渡さなかった事に根ざしている。
 TCUの監査官の一人は匿名を条件に、「TCUが合意を認める可能性はあるものの、その場合はCGUとAGUを相手に訴訟を起こすことになるだろう」と示唆した。
 O社がブラジルの機関に払う賠償金27億2千万レアルの内訳は、9億レアルが贈賄行為の賠償、13億レアルが違法行為で得た利益の返却、4億4200万レアルが罰金で、4千万レアルがO社が外国で犯した犯罪の分の罰金だ。これらを合計しても26億8200万レアルにしかならないが、ワギネル・ロザリオCGU検査官は、公共事業などの工費の過剰請求分でO社が不当に得た利益の返却分は明らかになっていないとしている。
 O社は既に連邦検察庁との間で、ブラジル、米国とスイス当局に合計38億2000万レアルを支払うレニエンシア合意を結んでいる。今回の27億2000万レアルの合意は38億2000万レアルの内、ブラジル政府の取り分を決めたもので、O社は38億2000万レアルの外に27億2000万レアル、計65億4000万レアルを払う訳ではない。
 38億2000万レアルから27億2000万レアルを差し引いた11億レアルは、米国、スイスの外、ブラジル国内の州や市などの地方自治体に支払われる。