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《ブラジル》ドッジ検察長官=ルーラ元大統領釈放を試みた判事の捜査を高等裁に要請=「個人的利益優先」と糾弾

ラケル・ドッジ連邦検察庁長官(Fabio Rodrigues Pozzebom/Agencia Brasil)

ラケル・ドッジ連邦検察庁長官(Fabio Rodrigues Pozzebom/Agencia Brasil)

 【既報関連】ラケル・ドッジ連邦検察庁長官は11日、第4連邦地域裁(TRF―4)のロジェリオ・ファヴレト判事に対する捜査要請を連邦高等裁(STJ)に出したと12日付現地各紙が報じた。
 ロジェリオ・ファヴレト判事は日曜当直の立場を利用して、8日にルーラ元大統領への人身保護令を適用し、釈放命令を出していた。
 ドッジ長官は、捜査要請書に、ファヴレト判事が1991年から2010年まで労働者党(PT)の党員だった事や、PT政権時代に数々の行政機関で役職に就いていた事も指摘した上で、同判事の行為を「自分の個人的な利害を優先した背任行為にあたる」と指摘した。背任行為の量刑は禁固3カ月~1年だ。
 ドッジ長官は、「ファヴレト判事は本来の職権の及ばぬ行為によって、TRF―4第8小法廷や最高裁で決められたことを覆そうと試み、司法の序列を乱した」とした。
 ドッジ長官は、PTやファヴレト判事の言う、「ルーラ元大統領は今年の大統領選の候補者で、逮捕のせいで選挙活動を妨げられている。だから、釈放されねばならない」との論理は目新しいものではなく、釈放を正当化する方便にすぎないとしている。
 国家法務審議会(CNJ)には、8日の混乱中にTRF―4第8小法廷報告官のジェブラン・ネット判事やセルジオ・モロ連邦地裁判事の取った行動についての疑問も届いているが、ドッジ長官は両判事の行動を「必要かつ適切なものだった」と弁護した。