リオ市議会は12日、賛成16、反対25で、マルセロ・クリヴェラ市長(ブラジル共和党・PRB)の罷免手続き開始申請を棄却したと、13日付現地各紙が報じた。
発端は先週、リオ市庁舎で開かれた、「エヴァンジェリコ」とも呼ばれる過激なプロテスタント宗派関係者との会合で、ユニバーサル教会の休職牧師でもある同市長が、「聖職者や信者は無料かつ優先的に白内障や静脈瘤の手術を受けられる」とか、「宗教施設の固定資産税を合法的に免除とする」などと発言したことだ。同市長は自分と同じ宗派への〃えこひいき〃を否定し、会合の目的は、出席者たちにリオ市の会計を公表し、社会福祉政策を紹介することだけだったとしている。
12日の審議は、17人の市議の署名によって休暇返上となった議会で実施され、議員が1人ずつ、投票理由などを述べた後、市長罷免手続きの開始に賛成か反対を投じる形で採決が行われた。傍聴席には反市長派、市長擁護派が詰めかけ、互いに罵りあったりしたため、警備員が割って入る場面も見られた。
緊張感が高まったのは、市長派のオトーニ・デ・パウラ市議(キリスト社会党・PSC)が投票を終え、反市長派の市民が陣取る傍聴席に身体を向けた瞬間だった。
反市長派のダヴィジ・ミランダ市議(自由社会党・PSOL)が「偽善者め」と声をあげたのに対し、デ・パウラ市議が、同性愛者の権利擁護派のミランダ市議をからかうような踊りを見せ付けたのだ。
また、罷免手続き開始に賛成したローザ・フェルナンデス市議(民主運動・MDB)は、「私は第2のマリエーレになりたくない。でも、私の信念も曲げない。私は今回の投票に関し、脅迫電話を受けた」と語った。
リオ州検察局も、クリヴェラ市長の行動は政教分離の原則に反する不適切行政だとして民事公訴権を行使したが、同州地裁はまだ、訴状の扱いについての結論を出していない。
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