BBCブラジル電子版は東京発12日付記事(カマタ・ファッチマ記者)で、35年間日本に住むブラジル国籍オガタ・エドゥアルドさん(53)が、西日本豪雨の最中の7日未明に心筋梗塞を起こして死亡したと報じた。
広島県広島市安芸区で妻サイミ・マルシア・チエミ・カンポスさん(36)と子供2人と4人で暮らしていた。
マルシアさんは車で通勤しており、いつもの午後6時まで勤務した。普段なら1時間で帰宅出来るのに、この日は7時間以上かかっても自宅に着かない。車には16歳の娘と9歳の息子も同乗しており、夜中の0時頃コンビニに入った後、家に着いたらブラジル対ベルギー戦を見ようなどと考えながら再び車に乗り、アパートの近くまで来た。
だが、瀬野川が氾濫して、それ以上進めなかったため、オガタさんと連絡をとり、近所に住む彼女の姉妹の家に泊めてもらう事にしたのが、午前1時49分だった。
ところが、息子が発熱して容態が悪化。救急車を呼んだ後にオガタさんと連絡をとろうとしたのに、何度電話をかけても通じない。
オガタさんは9年前に心臓の手術を受け、毎日薬を飲んでいたため、不安に思ったルシアさんが娘の友人達に頼んで見に行ってもらったところ、扉は鍵が開いており、電気もエアコンもついたままの部屋でオガタさんが息絶えていたという。
知らせを受けたマルシアさんは、虫垂炎で緊急手術を受けた息子を病院に残したまま、娘と共に車に乗り、洪水や土砂崩れの起きた箇所を避けながらやっとアパートにたどり着いた。オガタさんの遺体は、検死医達が来るまでの2日間、アパートに留め置かれた。
オガタさんが火葬に伏されたのは10日。火葬後の灰は、息子の帰りを待ちわびていた母親に引き渡すべく、ブラジルに持ち帰る。オガタさんは35年間、1度も帰国せず、工場で働いていた。
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