【既報関連】カルメン・ルシア連邦最高裁長官は16日、国家医療サービス監督庁(ANS)が6月28日に出した、「保健プラン加入者でも、医療実費の40%までを支払う義務が発生しうる」ことを認めた決議を差し止めたと、17日付現地各紙が報じた。
ANS決議は、保健プランの中でも、加入者が月額基本料以外に、医療サービスの実費の一部を負担する場合の二つの方式、コパルティシパソンまたはフランキアについて定めたものだった。
最高裁は現在休廷中で、当直のカルメン・ルシア長官が、ブラジル弁護士会(OAB)による、ANS決議の差し止め要請に対し、仮処分を出す形で応じた。同決議の担当判事セウソ・デ・メロ判事が判断を下すか、最高裁大法廷で結論が出るまで、カルメン長官の仮処分は有効だ。
ANSの決議は、それが出された半年後、つまり、今年の年末から、しかも新規契約にのみ有効となる予定だった。同決議には、保健プラン各利用者の自己負担額が月額基本料金を超えてはいけないこと(月額上限)や、1年間の自己負担額の合計が1年分の基本料金を超えてはいけないこと(年額上限)も定められていた。
しかし、裏を返せば、保健プラン提供会社は、月額基本料金と同額未満までは、「医療実費の一部」との名目でお金をとる事ができ、利用者の負担が増える事が懸念されていた。
カルメン・ルシア長官はANS決議差し止めに際し、「健康は商品ではなく、命は取引材料ではない。尊厳は経済的利益に換算されるべきものであってはならない」と述べている。