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「日本移民110周年記念、眞子内親王殿下ご来伯歓迎」に寄せて=外務大臣 河野太郎

河野外務大臣(写真提供=外務省)

河野外務大臣(写真提供=外務省)

 ブラジルへの日本人移住110周年を迎えるに当たり、日系社会の皆様に心からお祝い申し上げます。眞子内親王殿下がブラジル各地を訪問される中、日本人移住110周年の式典が盛大に行われようとしており、大変うれしく思います。
 1908年に日本人によるブラジル移住が開始してから、日本から移住した方々は、数多の艱難辛苦を乗り越えられ、ブラジルの発展に貢献されてきました。移住者の方々の精神を受け継いだ次の世代の皆様も、平坦ではない道を切り拓かれて、各分野で活躍されております。日系社会の皆様が築かれたブラジルにおける信頼は、現在、ブラジルの日本に対する信頼に繋がっております。 私は、中学1年生の際に、初めてアメリカを訪問し、ロサンゼルスの日系人の方に大変お世話になり、それ以来、日系人の皆様との関係を大切に思ってきております。そして外務大臣に就任し、ブラジルを始めとする中南米の日系人の皆様との関係も、一層深めていきたいとの思いを抱いてきました。
 その思いがようやく実ったのが、5月の私自身初めての中南米訪問となるサンパウロ訪問でした。サンパウロでは、イビラプエラ公園内にある開拓先没者慰霊碑にて献花を行い、移住した方々への歴史と功績に対して深い敬意を表しました。また、日系社会の皆様との交流の場では、様々な世代の方々から直接お話を伺い、皆様が日本とブラジルの「架け橋」として活躍されていることを改めて実感しました。新たな日ブラジルの交流拠点であるジャパン・ハウスにおいては、パネルディスカッションを通して、両国の外交政策について活発な議論を交わすことも出来ました。
 若い日系の方々と懇談する機会もありました。日系社会の新しい世代の方々が、ブラジル人であることに誇りを持つと同時に、日本にルーツがあるということを強く思っていただいていることに深い感銘を受けました。外務省としても、こうした若い世代の日系人との連携を強化し、日系社会の更なる発展を後押しすべく、日系人を対象とした招へい事業の推進や若い方々のネットワーク作りを支援する事業等を実施していく所存です。
 このような当地での日系社会の活性化に加え、在日日系社会との関係強化にも取り組みたいと思います。日本に在住する日系人の方々には,地域社会との共生や子供の教育等で大変な苦労をされた方々もいると聞いています。日本の社会が日系人を温かく迎え入れ、またその中からこれからの日本と母国を結ぶ架け橋として活躍する人材が育つ、そんな社会の実現を応援する体制作りが必要であると考えております。最後に、日系社会の皆様の今後のますますの御活躍、ブラジルにおける日系社会の更なる御発展を心から祈念し、私のお祝いのメッセージとさせていただきます。