逮捕中のルーラ氏(労働者党・PT)抜きの場合に大統領選世論調査1位のジャイール・ボルソナロ氏(社会自由党・PSL)が、18日に発表予定だった元陸軍将軍のアウグスト・エレーノ氏(共和進歩党・PRP)から副候補を断られた。他党との連立ができない限り、ボルソナロ氏は選挙放送の時間がわずか8秒となる危機にさらされている。18日付現地サイトが報じている。
ボルソナロ氏は、17日にサンパウロ市で行った講演会の中で、希望していたマグノ・マウタ上議(共和党・PR)の副候補を断念したことを正式に語ると共に、2004年のハイチ地震の際に国連平和軍を指揮したことでも知られるエレーノ氏を副候補にすることをほのめかした。
この時点ではエレーノ氏も「このミッションを遂行する準備が出来ている」との表現で、副候補となることを内諾していたことを示しており、PSL側も18日に正式発表するつもりでいた。
だが、エレーノ氏は18日午前、PRPの幹部から、同氏をボルソナロ氏の副候補に推す意思はないと告げられたとし、副大統領候補となる可能性を正式に否定した。
これで、ボルソナロ氏は連立の見込みがかなり厳しくなった。同氏は選挙放送の持ち時間が45秒あるPRとの連立にかけていたが、マウタ氏が副候補を拒否した上、それを受け、PSLの政治家でもあるボルソナロ氏の息子が、PRとPSLの地方での連立を拒否する行動に出たため、決裂状態となった。
PRPと連立できれば選挙放送は4秒延長されていたが、それもかなわず、ボルソナロ氏はPSLの持ち時間である8秒で大統領選に臨む可能性が強まっている。
ボルソナロ陣営は副候補をPSLから選ぶことを検討しはじめたが、同党からの副候補のひとりに、ジウマ前大統領の罷免請求を作成した弁護士のひとりであるジャナイーナ・パスコアル氏も含まれている。同氏はすでにPSLに入党しているため、かねてから副大統領候補として名前が挙げられていたが、政治家経験はない。
なお、ボルソナロ氏と決裂したPRに関しては、ルーラ氏とシロ・ゴメス氏(民主労働党・PDT)が連立を巡って、同党の争奪戦を行うことが予想されている。それは、PRの前身の自由党(PL)元党首でルーラ政権では副大統領だった故ジョゼ・アレンカール氏の息子のジョズエー・ゴメス氏(4月に民主運動・MBDから移籍)を副候補に据えたいという思惑があるからだ。
ルーラ氏はアレンカール氏と旧知の関係であるため、また、シロ氏はPRと連立を組むことで、同氏との連立に興味を示している民主党(DEM)や進歩党(PP)など、他のセントロン系の政党を引き付けたいとする意向からだ。