ブラジル最高裁が今年2月に「ゴミ処理関連事業は公益事業とみなさない」と決めたため、永久保護地区(APP)と呼ばれる自然保護地区に建設されたゴミの埋立地の存続可否で関係者が気をもんでいると、18日付現地紙が報じた。
2月の決定により、それまでは公益事業とみなされていたゴミの埋め立て事業が公益事業とは見なされなくなったが、この決定が現在稼動している埋め立て地にも当てはめられると、現在稼動中の埋め立て地の8割が移転を求められるからだ。
なお、サンパウロ州内のゴミ埋立地は全て、APP内に造られている。サンパウロ州環境浄化技術公社(Cetesb)によると、州内には埋立地が369カ所あり、全体の処理容量は、1日あたり3万9900トンだという。
地質学者のカイモト・ルイス氏によると、ブラジルの国土は、大きな土地に川が流れ、広大な水路が展開するという特徴があり、埋立地がAPP内に集ってしまうという。カイモト氏は、「STFの決定が既存の埋立地にも及ぶ場合、16州の州都で出るゴミの85%は、別の処理場を探して処理する必要が出てくる」と語る。
サンパウロ市都市浄化局(Amlurb)によると、同市では毎日2万1千トンのゴミが出ており、その内の1万1800トンが埋め立てられている。
最高裁のルイス・フクス判事が執筆を担当する判決文はまだ書かれておらず、関係者たちは、最高裁の決定が将来造られる埋立地だけに言及するものか、現在稼動している埋立地も規制されるのかを早急に知りたがっている。
都市清掃業全国組合のマルシオ・マテウス会長は、「『ゴミ処理』は専用施設を伴い、『不法投棄』とは全く違う。最高裁判事たちは投票の際にこれを混同したのではないか」と語っている。
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