全伯各地を行脚し、日本の歌を届けている中平マリコさん(60、大阪府)は12日に本紙を訪れ、ブラジル・ツアー15年目を迎える節目の区切りとして、これまでの活動を支えてきた関係者らに感謝の意を表した。
中平さんは今月1日に15周年記念チャリティーコンサートを開催。憩の園、希望の家、子供のその、やすらぎホームの日系福祉4団体に売上金全額が寄付されるCDを毎年購入している方に対し、併せて謝意を述べた。毎年CDの売上金は2~3万レアルにも上るという。
「互いに助け合う、本当のボランティアの姿をここで見てきた。それこそが私の生きる力に繋がっているんです」と語る中平さん。「CD販売を通じて日系福祉4団体を支え、時には支えられて、これまで活動を続けてきた」という。
二度の大手術を終えて、いまも肩の痛みと闘い続ける。そんな中平さんの心の支えとなっていたのが、皇后陛下のお言葉だった。
「ブラジルに移民された皆様のご苦労は語り尽くすことが出来ません。あなたの身体が続く限り日本の歌を届けてくださいね。そして、私が移民された皆様のことをいつも案じていることを伝えて下さいね」と励ましのお言葉を頂いたという。
ブラジル日本移民110周年を迎え、来年4月30日に天皇陛下が生前退位されるなか、「とても優しく穏やかでありながら、心強いこのお言葉を伝えるには今しかない」。そう考えた末、宮内庁の許可を得て、新曲CD「手渡された110年…」に皇后陛下が作詞された「ねむの木の子守唄」が収録された。
中平さんのCDは、こどもの園のサンパウロ市事務所(Rua Galvao Bueno, 573, sala 01)でも販売中。また福祉4団体では、大人用オムツ、使い捨てゴム手袋、清潔品(シャンプー、リンス、石鹸、歯磨き用品)などの寄付も受け付けている。
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