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《ブラジル》大統領選の放送時間争い大詰めに=現状で最長はアウキミンだが=セントロンの動きが決め手に

シロ・ゴメス氏(André Carvalho/CNI)

シロ・ゴメス氏(André Carvalho/CNI)

 大統領選挙の放送キャンペーン開始を約1カ月後に控え、放送時間の決め手となる政党の持ち時間を確保したい候補たちによる、独自の候補者を出さない政党の取り込みが注目されはじめている。19日付現地紙が報じている。
 現状、逮捕中のルーラ氏を除いた大統領選世調査の1位はジャイール・ボルソナロ氏(社会自由党・PSL)、2位はマリーナ・シウヴァ氏(REDE)だが、共に小政党で、かつ他党との連立見込みがないため、放送時間はボルソナロ氏が8秒、マリーナ氏が12秒と、人気候補としては前代未聞の短さとなる。
 逆に最も長いのは、支持率4位ながら4党との連立を既に成立させているジェラウド・アウキミン氏(民主社会党・PSDB)で、現時点で2分59秒ある。
 テメル大統領の後継候補と目されながら、支持率はわずか1%で、他党との連立も絶望視されている前財相のエンリケ・メイレレス氏は、所属の民主運動(MDB)が大手政党のため、持ち時間が1分26秒ある。
 注目は、現在支持率3位のシロ・ゴメス氏だ。所属の民主労働党(PDT)の持ち時間は33秒だが、同氏は現在、最も積極的に他党との連立成立に取り組んでいる。
 シロ氏は旧所属政党のブラジル社会党(PSB)との連立をめざし、ルーラ氏の労働者党(PT)と争っているが、確保できれば同党分の45秒を得ることができる。
 シロ氏はさらに、中道政党群の「セントロン」との交渉も行っているが、このセントロンの動向がカギを握っている。
 セントロンの中心となっている民主党(DEM)と進歩党(PP)、ブラジル共和党(PRB)、連帯(SD)は18日、ボルソナロ氏との交渉が不調に終わった共和党(PR)の加入を認め、PRのジョズエー・ゴメス氏をいずれかの候補者の副候補にすることで合意した。現状で優勢と見られているのがシロ氏で、アウキミン氏との争いになっている。
 セントロン勢力との連立が成立すれば、PP50秒、PR45秒、PRBとDEMが共に28秒、SDが20秒だから、計171秒となり、その効果はかなり大きなものとなる。
 一方、ルーラ氏はPTだけで持ち時間は1分35秒ある。同氏の場合は出馬できるか否かが微妙だが、前述のPSBやPR、さらにブラジル共産党(PCdoB)との連立も視野に入れている。
 本日から、各党は大統領選候補公認のための党大会開催期間に入る。