ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》大統領選=セントロンが急転しアウキミン支持へ=本命のシロから乗り換え=経済政策を判断した末に=選挙放送で巨大ブロックに

《ブラジル》大統領選=セントロンが急転しアウキミン支持へ=本命のシロから乗り換え=経済政策を判断した末に=選挙放送で巨大ブロックに

アウキミン氏(Ciete Silvério/A2img)

アウキミン氏(Ciete Silvério/A2img)

 19日、中道右派政党連合のセントロンが、大統領選でジェラウド・アウキミン氏(民主社会党・PSDB)と連立を組むことで合意し、噂されたシロ・ゴメス氏(民主労働党・PDT)との連立の話は流れた。これで選挙キャンペーンでのアウキミン氏の政権放送時間は全政党への割り当て分の半分を超えるものになる。20日付現地紙が報じている。

 セントロンは下院議員数が160人を超える一大勢力で、テメル大統領(民主運動・MDB)の支持勢力でもあるが、セントロンのリーダー格でもあるロドリゴ・マイア下院議長(民主党・DEM)と大統領が対立。テメル氏の支持率も低迷したままであることなどから、新たな大統領候補を模索していた。
 当初はマイア氏も大統領選出馬を希望していたが、自身の支持率もあがらないため、進歩党(PP)、連帯(SD)、ブラジル共和党(PRB)らのセントロン政党と候補を模索していた。
 マイア氏所属のDEMは、アウキミン氏のPSDBとは長年の提携政党だったが、PSDBの唱える社会保障制度改革案にDEMの地方支部が難色を示した上、アウキミン氏の支持率が伸び悩んでいたことで、テメル政権の社会保障制度改革の批判者ながらも、支持率でアウキミン氏より勢いが良く、DEM内の受けも悪くなかったシロ氏に食指を伸ばしはじめた。
 だが、セントロンの幹部らは最近のシロ氏の言動に不満を抱いており、6月半ばに予定されていた同氏との会合もキャンセルした。また、マイア氏の要請でシロ陣営の経済政策担当者と会談したDEMの経済専門家のクラウジオ・アジウソン・ゴンサレス氏は、「シロ陣営の経済政策は我々の考えと相容れない。同氏の講演内容は経済の安定を乱すような、危険要素を含んでいる」と強く難色を示していた。
 シロ氏は、大統領候補を集めて開かれた4日の全国工業連盟(CNI)の討論会でも聴衆から罵声を浴びるなど、その経済政策は産業界からの受けが良くなかった。
 セントロンは18日の会合で、共和党(PR)のジョズエー・ゴメス氏を副候補に推すことを決めており、26日の正式発表でセントロンのアウキミン氏支持が確定すれば、アウキミン氏とゴメス氏のシャッパで大統領選を戦うことになる。
 PRは、ジャイール・ボルソナロン氏の社会民主党(PSL)との連立が不成立に終わったことで、18日にセントロンに合流した。
 ジョズエー・ゴメス氏はルーラ政権の副大統領ジョゼ・アレンカール氏の息子で、企業家としても成功。ルーラ氏やシロ氏も副候補として狙っていた人物だ。
 セントロンが連立に加わると、政見放送の持ち時間でアウキミン氏が圧倒的に有利になる。同氏は既に4党との連立で3分を確保していたが、DEM、PP、SD、PRB、PRの5党が加われば2分50秒増え、5分50秒となる。現状、他の候補全ての持ち時間を足しても、その長さには及ばない。