大統領選を視野に入れた各政党の党大会が20日からはじまり、23日現在で、シロ・ゴメス氏(民主労働党・PDT)、ギリェルメ・ボウロス氏(社会主義自由党・PSOL)、ジャイール・ボルソナロ氏(社会自由党・PSL)が正式に出馬を表明した。21~23日付現地紙が報じている。
党大会期間初日の20日に出馬表明を行ったのはシロ氏だ。シロ氏は「(逮捕中の)ルーラ氏(労働者党・PT)が出馬できない場合の左翼の代表」と目され、支持率もルーラ氏、ボルソナロ氏。マリーナ・シウヴァ氏(REDE)についで高いが、連立がまとまらない中での出馬発表となった。
その理由は、当初、連立が有力と見られていたブラジル社会党(PSB)とブラジル共産党(PCdoB)の中に、ルーラ氏の出馬をあきらめきれない勢力が存在するためだ。また、中道政党勢力のセントロンもジェラウド・アウキミン氏(民主社会党・PSDB)に奪われた。
シロ氏はPDTの党大会で、改めて「左翼の団結」を訴え、PSBとPCdoBへの連立を呼びかけた。
また、しばし批判の対象にもなる、歯に衣を着せぬ物言いに関しても、シロ氏は「天使になるつもりはない」として、今後もスタイルを曲げないことを確認した。
また、22日には2人の候補が出馬宣言した。まず、PSOLがホームレス労働者運動(MTST)リーダーのボウロス氏の出馬を公認した。副候補には先住民の女性運動家のソニア・グアジャジャラ氏が就いた。
ボウロス氏は同大会で特権階級の崩壊とテメル政権が社会報奨制度改革の打破、女性の権利の向上を訴えた。
さらに、リオ市で開かれたPSLの党大会で、ルーラ氏抜きの場合の世論調査で支持率1位のボルソナロ氏の出馬が公認された。
同氏はアウキミン氏についたセントロンを「烏合の衆」と批判し、政党連立がかなわず選挙キャンペーンでの放送が8秒に留まった自身を「政界のみにくいアヒルの子」と称した後、「自分は孤立などしていない。国民が味方についている」と語った。
また、この大会には、副候補が有力視されているジャナイーナ・パスコアル氏も参加した。同氏はジウマ前大統領の罷免請求書を作成した弁護士チームの一人として話題になった人物だ。
ジャナイーナ氏はこの大会で、「ボルソナロ氏の支持者は他の主義、主張の人の意見を聞かない傾向があるが、それでは主義が真逆なだけのPTに過ぎなくなってしまう。国を治めるには聞く耳を持つ姿勢を持たなくてはならない」と発言し、その場を騒然とさせる場面も作った。