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《ブラジル》港でのコカイン押収急増=PCCの活動活性化を反映

 連邦警察や連邦財務局が港で押収するコカインの量が急増しており、今年に入ってからの押収量は、過去10年間の押収量を超えたと21日付現地紙が報じた。
 1月から今月19日までのコカイン押収は28回に及び、コンテナなどで見つかったコカインは13・8トン(66キロ/日)に達した。昨年は年17・6トン(49キロ/日)を押収した。
 主要港の押収量は、サンパウロ州サントス港10・197トン、パラナ州パラナグア港2・109トン、リオ港1・5トンだ。
 港でのコカイン押収量は16年以降、年間10トンを超え始めたが、半年で10トンを超えたのは初めてだ。サントス港を例にすると、15年の1・4トンに対し、16年10・6トン、17年12・1トンと急増中だ。
 16年以降のコカインの押収量急増は国道でも確認されており、その他の麻薬押収量も増えている。これは連邦警察や連邦道路警察の監視活動が活発になった証拠とされてきたが、サンパウロ州を本拠とする犯罪組織の州都第一コマンド(PCC)の活動活性化も影響している。近年のPCCはパラグアイなどにも構成員を置き、栽培者から麻薬を直接購入、精製から密輸、販売、輸出まで行っている。また、以前は個人レベルだった欧州などへの麻薬密輸も組織の活動となっている。
 サントス港は貨物取扱量が年1億1千万トンを超え、全てのコンテナや船舶を調べるのは難しい事が、同港を利用した麻薬密輸が盛んな理由と考えられている。
 麻薬摘発はスキャナー(貨物内の質量差判別)や警察犬などを使って行う。警察犬は19日も、大豆の中に650キロのコカインを隠したコンテナを見つけている。
 欧州向けのコカイン押収例中6件はベルギー向けで、今年4月には同国警察が来伯、取り締まり方法を協議した。摘発例の95%は、所有者が知らない内に麻薬が荷物やコンテナに混入されていたという。
 なお、21、22日にサンパウロ州グアルーリョス空港から欧州とアフリカに飛ぼうとして捕まった3人は計11キロのコカインを持っており、航空便を使った密輸も多い。22日には、ゴイアス州北部の国道153号線を走行中のバス利用者のトランクからも25キロの大麻が押収されている。