FCバルセロナは23日、フランスのボルドーに所属していたブラジル人の若手フォワードのマルコン(21)と契約したと発表したが、この裏には、ブラジル人選手をめぐる様々なドラマがあった。
昨季のフランス1部リーグで12得点をあげたマルコンは、今年の8月いっぱいまでの夏の移籍市場での目玉選手だったが、それゆえに様々な駆け引きが存在した。
マルコンに関しては22日、イタリアのASローマとの交渉がまとまり、入団のための身体検査を受けにイタリアに飛ぶと発表されていた。
ローマはその数日前、ブラジル代表のゴールキーパーでもあるアリソンを、イングランドの強豪リバプールに奪われたばかり。マルコンを獲得することは、同チームの攻撃を強化する意味で重要で、彼を巡ってイングランドのエヴァートンと獲得合戦の末に勝利したと思われていた。
だが、契約成立と思われた直前に滑り込みでオファーをかけたのがバルサだった。マルコンはイタリア行きを急遽取りやめ、逆転でバルサと契約することになった。
ただ、このバルサのマルコン獲得にも裏があった。バルサは当初、今年のW杯でもセレソンの右ウィングのレギュラーだった、イングランド名門のチェルシーのウィリアン獲得を強く望んでいたが、チェルシー側はバルサへ7千万ユーロという、高い移籍金を要求していた。それが、つい数日前のことだった。
そこで、バルサは急遽、同じポジションのマルコンに方向を転換した。ボルドーに支払う移籍金は4100万ユーロ。バルサは、ウィリアンより9歳若いマルコンを、およそ半額で獲得したことになる。
一方、マルコンの獲得競争で先に撤退していたイングランドのエヴァートンは、マルコンと同じ年齢で、彼同様に期待の若手と目されていた、同じイングランド、ワトフォードのウィング、リシャルリソンを代わりに獲得している。
なお、マルコンが下部組織からプロ・デビュー後1年強に渡って所属していた、コリンチャンスもこの移籍金の2・5%を受け取ることになるという。
今回のこの移籍で一番得をしたチームはどこになるか。(24日付グローボエスポルテより)