地理統計院が今後42年間の人口の推移を見直し、ブラジルの人口のピークは2047年の2億3320万人で、2060年には2億2830万人まで減ると発表した▼先進国では当たり前となった人口減少だが、今も人口流出が流入を上回る12州では2048年以前に人口が減り始める一方、人口流入が流出を上回るか出生率が高い8州は2060年も人口が減らないという。人口減少が最初に起きるのは、出生率が低いピアウイとバイア両州と、65歳以上の人の数が15歳未満の子供の数を最初に超えるとされるリオ・グランデ・ド・スルの3州らしい▼2060年の出生率(人口1千人あたりの出生児数)は1・77人が1・66人に低下し、平均出産年齢は27・2歳が28・8歳に上がる。高出生率州は1・95人のロライマ、1・8人のパラーやアマパーなどで、低い州は1・5人の連邦直轄区や1・55人のリオ、ミナス両州だが、リオは42年後も人口増とされる2州の一つだ▼15歳未満の層は42年間で21・3%から14・7%に減るが、65歳以上の層は9・2%から25・5%に増加。事故や暴力に伴う若者の死亡率への言及はないが、国の経済を支える15~64歳の就労可能人口の比率は下がり続け、平均年齢は32・6歳から45・6歳、平均寿命は男性が72・74年から77・9年、女性は79・8年から84・23年に延びる▼ブラジルも永遠に「若い国」ではありえない。昨今は失業率が高く、年金が家計の中心という家庭や安定した収入源の一つである年金を狙う詐欺が増えており、今後の状況変化も気にかかる。誰もが皆、笑いつつ、平安に過ごせる余生を望んでいる事だろうから。(み)