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《BRICS会議》テメルが中国主席と会談=農産物の輸入障壁撤廃を懇願=鶏肉や大豆、砂糖など

テメル大統領と習主席(Cesar Itibere/PR)

テメル大統領と習主席(Cesar Itibere/PR)

 BRICS首脳会議で南アフリカを訪問中のテメル大統領は26日、習近平中国国家主席と会談を行い、鶏肉や大豆などの農産物の障壁撤廃を求めた。27日付現地紙が報じている。
 30分ほどの会談中、テメル大統領は、鶏肉や大豆、砂糖などの中国への輸出の際に課せられる障壁をなくすよう、習主席に訴えた。
 鶏肉には現在、18・8%~34・4%の高関税(税率は業者によって異なる)がかけられている。また、2017年5月に40%の関税がかけられるようになったことで、中国への砂糖の輸出は86%減少している。
 大豆に関しても、大豆そのものだけでなく、大豆油や豆カスなどの派生製品の輸入も拡大するよう、要請した。
 二国間協議の場にはブライロ・マジ農相も立ち会ったが、同農相によると、中国政府側の受けは「好感触」で、「ブラジルからの農産物輸入を将来的(時期は未定)に1千億ドルまで拡大する」と語ったという。昨年中の中国向けの農産物輸出は430億ドル(1590万レアル)だった。中国はブラジルからの農産物輸出の10%を占める、きわめて大きな貿易相手だ。
 テメル大統領は、中国がブラジルのインフラの民営化により一層の投資を行うようにも呼びかけた。習主席は、中国企業がエレトロブラス傘下の配電会社の民営化に興味を持っていると語ったという。
 またテメル氏はこの席で、9月にはメルコスルとEUの自由貿易協定が結ばれると語り、それに関してはEUが米国と非関税の協定を結んだことは影響しないと楽観的な姿勢を見せたという。
 26日には、今回のBRICS首脳会議参加国による共同宣言も採択された。
 共同宣言の中心は、26日にテメル大統領が演説のテーマにした第4次産業革命と自由貿易に関するもので、BRICS諸国がインターネットや人工知能(AI)が一般化し、通信や作業が遥かに円滑となった時代の産業において、いかにテクノロジーや情報を共有するかや、世界規模の通商が様々な障壁に直面する中、いかにして世界貿易機関(WTO)を支援していくかといったテーマも盛り込まれた。
 また、テメル大統領は会議中、南アフリカにエンブラエルの技術センターを開設する計画を発表した。また、ブラジル国内にBRICS銀行の地域事務所を置くことを正式に承認し、調印も行った。同銀行の本部は2015年に中国の上海に開設されており、ブラジルの地域事務所は今年中に開設される見込みだ。
 次回のBRICS首脳会議は、ブラジルが議長国となって開催される。