ホーム | ブラジル国内ニュース | 《サンパウロ州》知事選最有力2候補が出馬表明=ドリアは反ルーラ訴える=スカッフィはテメルに触れず=予想される16年ぶりの接戦

《サンパウロ州》知事選最有力2候補が出馬表明=ドリアは反ルーラ訴える=スカッフィはテメルに触れず=予想される16年ぶりの接戦

ドリア氏(Clóvis Miranda-SECOM Marcello)とスカッフィ氏(Casal Jr./Agência Brasil)

ドリア氏(Clóvis Miranda-SECOM Marcello)とスカッフィ氏(Casal Jr./Agência Brasil)

 28日、サンパウロ州知事選で現在1、2位を争っているジョアン・ドリア氏(民主社会党・PSDB)とパウロ・スカッフィ氏(民主運動・MDB)が、サンパウロ市で出馬表明を行った。29日付現地紙が報じている。

 公約を守らず、サンパウロ市市長を1年3カ月で辞任したため、サンパウロ市民からの拒絶率が高くなっているドリア氏。今回も、16年の同市市長選で行ったと同様のルーラ元大統領と労働者党(PT)に対する強い批判を行い、存在をアピールしている。
 ドリア氏はラヴァ・ジャット作戦を取り仕切るパラナ州連邦地裁のセルジオ・モロ判事を「英雄」と称えた上、「不正を行った人は刑務所に入るべきだ」と、再度ルーラ氏を批判した。
 その一方、「不正者の投獄は政党には関係なく行われるべきだ」とし、たとえPSDBの政治家に対してであっても、厳密な法の裁きが行われなければならないとした。
 今回の選挙では、スカッフィ氏や現知事で支持率3位のマルシオ・フランサ氏(ブラジル社会党・PSB)らがPSDB政権が24年間も続いて来たゆえの腐敗などを指摘しているが、「PSDBだからではない。それは州民が正直な人を求めた結果、たまたまそうなっただけだ」と反論した。
 このイベントには、前サンパウロ州知事で大統領選に出馬するジェラウド・アウキミン氏も参加。同氏は「この州は日本移民がイタリア語訛りのポルトガル語を話すところだ。そのようにいろんな要素が混ざりあい、それがブラジルの魂を作りあげるのだ」と、州や国を治める同党の理念を話した。
 また、カルドーゾ元大統領もビデオ・メッセージで参加。同氏もドリア氏に同調する形で政界汚職撲滅を訴え、ドリア氏への支援を表明した。
 また、サンパウロ州工業連盟(FIESP)会長のスカッフィ氏の応援には、MDBから大統領選に出馬するエンリケ・メイレレス氏がかけつけた。テメル大統領は同日はBRICS会議で南アフリカにいたが、同大統領の不人気を恐れてか、スカッフィ氏はテメル氏への言及を一切しなかった。
 イベントでは、スカッフィ氏の副候補が軍警女性中尉のカルラ・バッソン氏であることが改めて発表されたほか、サンパウロ州の上議選には「シジーニャ」の愛称で知られるマリア・アパレシーダ・ピント氏が出馬するとの発表も行われた。同氏は同党のサンパウロ州黒人支部リーダーで、「多様性」を選挙で訴えた形だ。
 現時点での支持率はドリア氏が29%、スカッフィ氏が20%と競っており、2002年にアウキミン氏とジョゼ・ジェノイーノ氏の間で行われて以来となる決戦投票になると予想されている。