ブラジル地理統計院(IBGE)が7月31日に、4―6月期の失業率を発表した。同時期の失業率は、3―5月期の12・7%より0・3ポイント減の12・4%に下がった。ところが、失業者数自体は1300万人台で依然多く、職を探さない人が増えたための失業率低下だった。7月31日付現地サイトが報じている。
12・4%という数字自体は、12・2%を記録した17年11月―18年1月以来の低さだ。また、ちょうど1年前の17年4―6月の13%より0・6ポイント下がった。また、6月の失業者の実数は1300万人で、5月の1320万人より20万人、また、昨年同期の1350万人よりは50万人(3・9%)減った。
反対に、就業者総数(9120万人)は、この3カ月間で0・7%、この1年間では1・1%増加した。
だが、一方で「職を探さない失業者」(働いてもいなければ、職探しもしていない人)も増えており、その数は6560万人に達した。この中には定年退職者や学生なども含まれるが、その数がこの3カ月間で77万4千人、1年間だと120万人(1・9%)も増えているのは気がかりだ。職を探さない失業者の増加は、「職を探すことを諦めた人」も増えていることを意味する。6560万人という数は、2012年の統計開始以来、最大となっている。
さらに、非正規雇用者が増えている点も見逃せない。非正規雇用は労働手帳に登録されていない雇用形態を意味する。その数は、この3カ月間で2・6%(27万6千人)、この1年間では3・5%(36万7千人)増えている。
正規雇用者数は3280万人で、この3カ月間で0・2%、この1年間では1・5%(約50万人)減った。正規雇用離れはここ数年間続いており、6月の総数は、統計開始以来、最低だ。4年前の正規雇用者数は3600万人だった。
雇用者で増加が見られるのは自営業と家庭内労働者で、前者は3カ月間で0・5%、1年間では2・5%増えた。後者は3カ月間で0・5%、1年間では2・1%増となっている。
失業者の数はなかなか減らないが、7月29日付エスタード紙は、10月の大統領選の行方が不透明なことが経済成長を鈍らせていると分析している。連邦政府が3%と見込んでいた2018年の国内総生産(GDP)の成長予想も、現在では1%近くに落ちている。
また、全就労・失業者台帳(Caged)によると、18年の雇用創出は目標の100万件の半分にも満たない35万~45万件に止まる見込みで、2021年に入るまでは思ったようには伸びないと見られている。