ジウマ前大統領の罷免請求の文書を作成したことでも知られる、元労働者党(PT)の政治家で弁護士のエリオ・ビクード氏が7月31日に亡くなった。同日付現地紙サイトが報じている。
1922年に大サンパウロ市圏のモジ・ダス・クルーゼス市で生まれたビクード氏は、サンパウロ総合大学で法学を学び、サンパウロ州法務局長などをつとめた。軍政時代には警察の犯罪を起訴しようとしたが、法務省の圧力がかかって中止させられるなど、軍政と対立する。
1980年にはルーラ氏と共にPTの立ち上げに参加。82年にはルーラ氏の副候補としてサンパウロ州知事選に出馬した。
PTの政治家としては、1991年から99年までの2期にわたり下院議員をつとめ、2001年から4年間はマルタ・スプリシー市政で副市長をつとめた。だが、副市長の任期が終わると同時にPTを離党した。同氏の口からは「PTに幻滅した」との言葉がしばしば語られた。
その後、米州人権財団の会長などをつとめていたが、2015年にミゲル・レアレ氏、ジャナイーナ・パスコアル氏と共にジウマ大統領の罷免請求を作成。結果、この請求書がもとでジウマ氏は罷免となった。
ビクード氏は脳血管障害をわずらった2010年ころから体調を崩しており、今年3月に夫人が亡くなったことで体調をさらに悪化させていた。