世界を旅する国歌レパートリー50曲のソプラノ歌手・鶴澤美枝子さんは外国の国歌を歌うとき「君が代」も必ず歌っている。「外国の国歌を歌えば、日本の国歌も歌わさせてくれる。もともと『君が代』を世界の人に聞いてもらいたいと思って始めた活動なんです」と言う。
国歌は間違えられないため、本人曰く「命がけ」。日本語と少しの英語しか話せない鶴澤さんは、歌詞をカタカナにして一曲あたり最低でも半年間かけて頭に叩き込むのだという。
2020年の東京五輪では金メダルを獲得した色々な国の選手のために、スタジアムでその選手の国歌を歌うつもりだ。「1964年の東京五輪マラソン種目でアベベが優勝したとき、競技場にはアベベ以外にエチオピア国歌を歌う人がいなかった。子供のときテレビで観てかわいそうだと思いました」と言う。
今から各種目で金メダルを獲得しそうな選手とその国歌をチェックするなど余念が無い。目標は2020年の東京五輪までに120の国歌を歌えるようにすること。2年後に2倍のレパートリーにするのはかなりハードルが高い。できたらそれこそ金メダルものだ。(陸)