保健省が1日、同日現在の麻疹(はしか)の患者数が1053人に達したと発表した。前回発表された7月17日現在の数字と比べ、232人も増加していると2日付現地紙サイトが報じた。
現在の患者数は、1999年に記録した908人を既に超えた。ブラジルでの域内感染は2001年を最後に途絶えたが、2013年~15年には、外国人や外国に旅行した人が持ち込んで流行が起きた。この時はペルナンブコ州とセアラー州に患者が集中した。この3年間の患者数は13年220人、14年876人、15年214人の計1310人だった。
現在の流行もベネズエラ人が持ち込んだウイルスが原因で、アマゾナス州とロライマ州が全患者数の97%を占める。
州別患者数は、アマゾナス742人、ロライマ280人、リオ14人、南大河13人、パラー2人、サンパウロ州1人、ロンドニア1人となっている。
また、感染が疑われ、検査中の人は、アマゾナス州に4470人、ロライマ州に106人いる。
患者や擬似患者の数が増える一方という状況を受け、保健省は今年、1歳以上、5歳未満の子供を対象に6日~31日の日程で、ポリオ(急性灰白髄炎)と麻疹の予防接種キャンペーンを行う。ポリオのキャンペーンは毎年8月に行われるが、それでも、接種率50%以下という自治体が312ある事が明らかになった事と、麻疹の流行が重なり、強化キャンペーンとなった。麻疹の予防接種は、風疹、流行性耳下腺炎を含めた3種混合の形で行われる。
今回のキャンペーンでは、もう既に、予防接種日程表に従って接種を受けた子供も含め、対象年齢の子供1100万人全員(30日以内に接種を受けた子供は除く)が、2種類の予防接種を受ける事になる。保健省は接種率95%を目標としており、通常は月~金曜日のみ開く保健所(UBS)も、18日(土)は終日、予防接種を行う。
なお、対象年齢以外の成人も、これら2種類の予防接種を受ける事が出来る。この場合、29歳以下で幼少時に3種混合を受けていない人は、2回の接種が必要だが、30~49歳の人は1回でよい。幼少時に接種を受けたか否かがわからない人も、年齢に応じた回数の接種が受けられる。