ブラジル中銀は7月31日、8月1日に行われた通貨政策委員会(Copom)で、経済基本金利(Selic)を年利6・5%に据え置く事を決めたと、2日付現地各紙が報じた。
Selicは今年3月末に、1996年の制定以来、最低値の年利6・5%となり、以後、5月中旬、6月下旬、今回と、3会合連続で年利6・5%が継続された。
統一選まで2カ月余りとなり、景気やインフレの動きを正確に予測する事が困難なため、中銀は今後の方針を断言する事を避けた。10月7日の統一選までのCopomはあと一回あり、9月18、19日に行われる予定だ。
中銀の決定は、市場関係者たちの予想通りだった。5月末から6月初めにかけての全国トラックストは経済の停滞とインフレ促進をもたらしはしたが、市場ではその影響は期間限定的だと見ており、Copomの判断もそれに倣った格好だ。
16年7月以降、今年5月までの22カ月間、広範囲消費者物価指数(IPCA・インフレ率)は単月度の値が0・5%を超えたことが1度もなかったのに、今年6月のIPCAは、トラックストの影響が如実に現れ、1・26%だった。
トラックストの影響が期間限定的ならば、今年7月のIPCAはまた低い数値が出るはずだ(昨年7月は0・24%)。月末締めIPCAの先駆けとなる、15日締めのIPCA(IPCA―15)の7月の数値は0・64%だった。
もし今後、景気が上向かないまま、インフレが進んだら、中銀はSelic上げ下げの判断で難しい選択を迫られる。
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