ペルナンブコ州レシフェ大都市圏のパウリスタ市で3日、7月23日の夜、ニカラグアの首都マナグアで、研修先の病院での当直勤務を終えて帰宅途中に機銃掃射を受けて死亡した医学生、ライネイア・リマさん(31)の埋葬が行われた。
リマさんの遺体は同日未明にレシフェ市の空港に着き、午前11時頃、モラーダ・ダ・パス墓地で埋葬に伏された。
リマさんの母親のマリア・ジョゼ・ダ・コスタさんは、集った親族や友人の前でリマさんの卒業証書を見せ、「この子はニカラグアの危機が広く世間に知れ渡るために命を落とさなければならなかった。この子の死が、あの国の危機を解決するためにもたらされたのだと信じたい。私は誰がこの子を殺したのかを知りたいし、ニカラグアはその責任をとらなければならない」と語った。
マリアさんが手にした卒業証書は、リマさんが学んでいた大学が、彼女を顕彰する意味で発行したものだ。
マリアさんは、「この証書はこの子と共に葬るけど、私が死んだら、その時は私もこの証書を一緒に持って行く。この子はこの証書を手にするために、大きな犠牲を払ったのだから」と語り、証書の写しを棺に納めた。
マリアさんは、リマさんが医師になるためにどれほどの犠牲を払ってきたかを書き記す予定である事も明らかにした。
「私はあの子が満面の笑顔で帰ってくるのを夢見ていたのに、あの子の棺を受け取りに来なければいけないなんて」とつぶやいたマリアさんは、「旅費が高いから、あの子があの国に渡った2014年以降、1度も会ってなかったの。最後に話した時(事件前夜)、あの子は『お母さん、愛してるわ』と言って電話を切ったわ」と語った。リマさんはいつも、「ニカラグアは本当に危険で、自宅にいるより、病院にいる方が安全だ」と話していたという。
葬儀に参列した親族や友人は、リマさんの写真をプリントした白いシャツを着ており、いくつもの花輪がささげられた。
同州人権局のペドロ・エウリコ局長は葬儀の席で、「今回の事件は政治的なテロ行為だ。仕事帰りの医師を殺すなんて」と語った上、同州が外務省を通して、国際人権法廷に同件について調査を行うよう求めた事も明らかにした。
外務省北部事務所を代表して出席したカルラ・シェロッチ氏も、「マナグアにある大使館は、ペルナンブコ州政府と協力して遺体を搬送する許可を得た。これからは、現地での捜査の進展を見守り、事件の完全解明を求めていく」と述べた。
ニカラグア政府は事件後、リマさん襲撃時に使われたものと同じ型の機関銃を所持していたとの理由で民間警備員が逮捕されたと報じたが、事件の詳細や、どのようにしてその容疑者にたどり着いたのかなどは一切明らかにしていない。(3日付G1サイトなどより)