ブラジルを代表する大手新聞社、フォーリャ紙が、8月5日から毎週日曜日に30週にわたり、名作映画のDVDを発売する。
フォーリャはこれまでにも、クラシック作曲家の代表曲を収めた子ども向けのCD付漫画偉人伝や、ブラジルの有名な民話を30週のシリーズにして発売し、好評を得ていたが、今回は名作映画のDVDだ。しかも、それは、主に1920年代から60年代までの、ハリウッドやヨーロッパ、ブラジル、さらに日本を代表する歴史的名監督30人の作品だ。
選ばれた30人の監督は、以下の通り。この順で発売される。
イングマール・ベルイマン、オーソン・ウェルズ、フランソワ・トリュフォー、黒澤明、フェデリコ・フェリーニ、グラウベル・ロシャ、ルイス・ブニュエル、ヴィットリーオ・デ・シーカ、アルフレッド・ヒッチコック、ジャン・リュック・ゴダール、ルキノ・ヴィスコンティ、アイダ・ルピノ、ビリー・ワイルダー、ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー、ロジェリオ・スガンゼルラ、フリッツ・ラング、セルゲイ・エイゼンシュテイン、ジャン・ルノワール、デヴィッド・リーン、ニコラス・レイ、FWムルナウ、エルンスト・ルビッチ、ジョン・フォード、溝口健二、アンドレイ・タルコフスキー、カール・ドライヤー、ハワード・ホークス、マイケル・パウウェル&エメリック・プレスバーガー、マックス・オフュルス、DWグリフィス
いずれも、大学の映画学科の授業で取り上げられやすい、文化価値の高いタイプの人ばかりで、とりわけ、若い人には「興味はあるけど、手を伸ばしにくい」と思われていた人たちだ。
ちなみに日本の黒澤明は「酔いどれ天使(1948年)」で、溝口健二は「夜の女たち(1948年)」。ブラジル人の監督は2人で、60年代の文化運動「シネマ・ノヴォ」最大の監督グラウベル・ロシャは「切られた首(1970年)」、ロジェリオ・スガンゼルラはブラジルのクライム・サスペンスの伝説的傑作と呼ばれる「バンジード・ダ・ルス・ヴェルメーリャ(1968年・日本未公開)」となる。
また、現在でも人気のサスペンスの王様ヒッチコックは「汚名」(1946年)、フランス・ヌーヴェルヴァーグの二大巨匠、フランソワ・トリュフォーは「終電車」(1980年)、ジャン・リュック・ゴダールは「気狂いピエロ」(1965年)、イタリアの巨匠フェリーニは「カビリアの夜」(1957年)、デ・シーカはイタリア・ネオ・レアリズモの傑作「自転車泥棒」(1948年)となる。
このシリーズはサンパウロ市内、大サンパウロ市圏の書店やバンカ(キオスク)などで毎週発売される。
また、フォーリャ紙に問い合わせれば、30巻全セットを割引で買うことも可能だ。
なお、5日は第1巻「不良少女モニカ(イングマール・ベルイマン)」と第2巻の「偉大なるアンバーソン家の人々」(オーソン・ウェルズ)が、2巻同時に発売される。
値段は1巻19・90レアル(約600円)。豪華ブックレット付だと29・90レアル(約900円)となる。(3日付フォーリャ紙より)