2日、大統領選有力候補のジェラウド・アウキミン氏(民主社会党・PSDB)の副候補がアナ・アメリア上議(進歩党・PP)、マリーナ・シウヴァ氏の副候補がエドゥアルド・ジョルジュ氏(緑の党・PV)になるなど、党大会開催期限の5日を前に大きな動きがあった。3日付現地紙が報じている。
アウキミン氏の副候補を受諾したアナ・アメリア氏は現在73歳で、2010年の上院選で当選するまでは、地元のリオ・グランデ・ド・スル州で、グローボ系列のRSB局のキャスター、レポーターを務めていた。
上院でのキャリアは1期8年だが、彼女はここまで、法案91件、憲法改正法案14件を提出するなど、上院の中ではかなりのやり手議員として知られていた。
リオ・グランデ・ド・スル州での知名度はかねてから絶大で、当初臨む予定だった上議再選も当選が確実視されていたという。
アナ氏は労働者党(PT)に強く反対する保守派議員としても有名な存在だが、彼女の副起用には、極右大統領候補のジャイール・ボルソナロ氏(社会自由党・PSL)つぶしの目的があるという。
まず一つは、同州は、ボルソナロ氏の支持率が22%と全国でもかなり高いことだ。そこにアナ氏を置くことによって、アウキミン氏は票の分散を狙っている。
アナ氏擁立に伴い、PPはリオ・グランデ・ド・スル州の知事選で、同党候補だったルイス・カルロス・エインゼ氏の出馬を、PSDB候補のエドゥアルド・レイテ氏を優先させるために取り下げた。エインゼ氏のシャッパにはボルソナロ氏のPSLが含まれていた。PPの同州支部ではボルソナロ支持者が多かったという。
だが、アウキミン氏の連立政党の間では、アナ氏擁立で票田の一つであるリオ・グランデ・ド・スル州は押さえられても、かねてからPSDBの弱点とされる北東部対策ができないことを危惧する声もある。
一方、マリーナ氏は、2010年に大統領選に出馬した際に所属していたPVとの連立を組むのに成功。同党からの副候補には、14年に同党から大統領選に出馬したエドゥアルド・ジョルジェ氏が擁立された。前回選挙での同氏は、テレビの政治討論会でも一切正装をしない姿勢を貫き、視聴者の間で有名になっていた。
マリーナ氏はこれで、8月31日から始まる選挙キャンペーンでの持ち時間が10秒で終ることが避けられ、1ブロック(12分30秒)中26秒の時間を持つことが可能となった。