建設大手アンドラーデ・グチエリス(AG)社が鑑定人を買収して不当な鑑定書を出させた疑いがあると、サンパウロ市メトロポリタン公社(Metro)がサンパウロ州検察局に捜査要請を提出、サンパウロ市警が6月から捜査を始めたと3日付現地各紙が報じた。
サンパウロ市南部のモノレール17号線の建設契約をAGと結んでいたMetroは、16年2月に「遅れが著しい」として、AGとの契約を解除、罰金も課したが、AGは同年中に、それを不服として訴えていた。
これを受け、契約破棄の正当性を調べるための鑑定が始まった。しかし、「鑑定助手2人がAGに買収され、鑑定書はAGに有利な結論が出るように仕組まれている」との情報を得たMetroが、検察に捜査要請を出した。AGは鑑定への関与を否定している。
AGとMetroの間の争いは金銭にして、およそ4億レアル規模に及ぶと見られている。
AG側の勝利となれば、AGは罰金を払わなくてよいだけでなく、未払い工費も得られる。だが、鑑定書作成過程への不当関与が立証されれば、AGが別の捜査で結んでいた企業版報償付供述(レニエンシア)の有効性も損なわれる。
司法当局も、進行中の契約破棄に関する裁判を続けるため、鑑定行為も中断して、捜査の行方を見守っている。
本来4年前に完成するはずだった17号線の工事は他の建設会社が引き継ぎ、モルンビからジャルジン・アエロポルト間8駅が2019年末までに完成の予定だ。また、計画当初の予算は13億9千万レアルだったが、現在の推定総工費は、1区間だけで37億レアルに膨れ上がっている。
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