政治、経済、人道の諸面で危機が叫ばれているベネズエラで4日、マドゥーロ大統領が演説中に爆発物を積んだ無人機が接近して爆発、大統領は無事だったが、警備の兵士7人が負傷する事件が起きたと5、6日付ブラジル国内紙が報じた。
事件発生は4日午後5時41分、首都カラカスの目抜き大通りで開かれた国家警備隊81周年記念式典の中で演説中の大統領を狙い、爆発物を搭載した無人機が飛来。警備担当者らが盾をかざして大統領を守り、大統領は無傷だったが、兵士ら7人が負傷した。
報道によると、爆発は2回起きており、2度目の爆発時は、パレードに参加していた国家警備隊兵士らも、蟻の子を散らすようにバラバラな方向に逃げた。
大統領は事件後、同件は自分を狙った殺害計画だと断定。5日には同件に関与したと思われる容疑者6人を逮捕した。逮捕者の中には、17年6月に起きた元警官によるヘリコプターからの公共施設への手榴弾投下事件への関与が疑われ、指名手配されていた人物も含まれていたという。
17年の事件を起こした元警官も属していた反体制派兵士らによる集団組織ソルダードス・デ・フラネラスは事件後に、「我々は無人機2機を大統領の演台に向けて放ったが、射撃手達に打ち落とされた」との声明を発表した。
大統領は事件後、7日で退任するコロンビアのマヌエル・サントス大統領らの関与を疑う発言を行い、反体制派の政治家や活動家への締め付け強化の意向も表明した。同行内外では、今も投獄中の政治犯248人を含む反体制派の要人の処遇、迫害や抗争の激化を案ずる声が上がっている。
他方、同国の危機的状況から逃れるため、ブラジルやコロンビアなどに逃亡する移民が後を絶たない中、ブラジル北部ロライマ州連邦地裁のエウデル・バレット判事が5日、同州へのベネズエラ人移民の入国や入国許可を禁じる命令を出した。
この命令は連邦検察庁などが提出した要請に応えたもので、先週出された、ベネズエラ人が公共サービスを受ける際に有効期限内の旅券提示を求める事や、犯罪に関与した同国人は強制送還する事などを定めた州知事令の差し止め命令も出た。知事令差し止めは国家総弁護庁も要請していた。
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