不況による減収や人件費の高騰で多くの州が財政危機に瀕する中、26州と連邦直轄区の27知事の内、16知事が10月の選挙で再選を狙っていると、7日付現地紙が報じた。
北東部では、九つの州のうち、パライバ州とセルジッペ州を除く七つの州(77・7%)で、現職知事が再選を狙う意思を示している。
15年から17年末までにかけての丸3年間で、26州と連邦直轄区の会計の収支バランス総計は、160億レアルの黒字から600億レアルの赤字に転落した。
選挙に勝ち、来年から知事職を務める知事たちは、高騰した諸経費の他に、史上最長となった、14年半ばから16年末にかけての不況の影響という、〃負の遺産〃も引き継がねばならない。
「州財政悪化は、知事再選に向けて悪影響を与えうる要因」と考えられるが、教育調査研究所(Insper)の政治学者フェルナンド・シューラー氏は、「州政府は本来、公共サービスの提供者で、州所有のインフラ資産の管理者に過ぎず、州財政が悪化しても、責任を選挙民に問われる事は少なく、現職知事再選の可能性は高いだろう」と語る。
州財政の悪化がより著しいのは、リオ州、ミナス州、リオ・グランデ・ド・スル州、リオ・グランデ・ド・ノルテ州だ。
影響が最も大きかったのは、3年間で279億レの減収となったリオ州で、この数値は、17年単年度の同州税収額の62%にあたる。
また、リオ・グランデ・ド・ノルテ州では15年以降、10万人の公務員の給与が継続的に遅配となっており、月給4千レアル以上の職員の場合、昨年の13カ月給もまだ支払われていない。ロビンソン・ファリア同州知事(社会民主党・PSD)は、州職員の年金ファンドに手をつけ、15年から既に10億レアルも引き出しているが、同知事も、12政党の支持を受け、10月に選挙を戦う。
「15年から17年にかけての26州と連邦直轄区の税収は、総計2780億レアル分の減収となった」と、公共会計専門のエコノミスト、ラウル・ヴェローゾ氏は指摘している。
同氏は「長すぎた不況さえなければ、各州はこの2780億レアルをあてにできた。社会保障費の増額分もカバーできただろうし、財政上の問題もある程度、カモフラージュできたはずだ」と語る。