サンパウロ州内陸部タウバテ刑務所内の暫定拘留センター(CDP)で8日午後、暴動が発生し、13人が人質に取られた。囚人達は9日午前10時までに人質5人を解放したが、交渉は難航していると、8、9日付現地紙サイトが報じた。
サンパウロ州刑務所管理局(SAP)によると、人質となったのは、刑務所職員2人と、刑務所訪問中の牧師や教会関係のボランティアら11人の計13人だ。
囚人達は、8日夕方に女性1人、午後9時と10時40分に男性各1人(内1人は80代)、9日は、午前8時20分に男性1人、同10時にはもう1人の男性の計5人を解放。この時点ではまだ、職員2人を含む8人が人質となっている。開放された人質は、誰もケガなどはしていない。
最初に解放された女性信者によると、暴動開始時に、「落ちた」、「捕まえた」と叫ぶ声が聞こえ、遊んでいるのか位に思っていたら、房を隔てる仕切りの上に2人の囚人がいるのが見え、「何か異変が生じた」のを感じたという。
女性によると、囚人達は「教会関係者を傷つけるつもりはない」と言った上で、環境改善などを求めたという。また、刑務所職員の内の1人は負傷していたという。
タウバテのCDPは844人を収容する能力があるが、現在の収容者数は1521人で、超過密状態だった。囚人達は暴動開始と共にマットレスなどを燃やしており、その煙はかなり広範囲で目にする事が出来た。その他、窓枠を外したり、棟と棟の間の仕切りの壁を壊して行き来したりする様子も観察されている。
同CDPには、暴動開始直後から軍警が派遣されており、軍警のヘリコプターによる警戒が続けられている。また、8日夕刻には、検察官や判事も到着し、囚人達との交渉などを開始したが、9日の昼過ぎになっても、暴動の動機や囚人側の要請などに関する情報は明らかにされていない。
刑務所の周辺には囚人の家族らも集まり、不安げな様子で暴動の行方を見守っている。
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