ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》来年からの新政権に急ぎの課題あり=2020年以降の法定最低賃金決定法は?

《ブラジル》来年からの新政権に急ぎの課題あり=2020年以降の法定最低賃金決定法は?

求職の列に並ぶ人々(参考画像・Jaelson Lucas / ANPr)

求職の列に並ぶ人々(参考画像・Jaelson Lucas / ANPr)

 10月7日の統一選投票日まで2カ月を切った9日、「次期大統領は就任早々に、現行の法定最低賃金(以下「最賃」)の設定方式を踏襲するか、改めるかの選択を迫られる」との記事をエスタード紙が掲載した。
 最賃は、単に「労働者にこれだけの賃金を払わなくてはならない」と定めたものではなく、社会保障費支払いの際の基準としても使われるため、1レアル上げるだけでも国庫に3億レの負担増となる、非常にデリケートな問題だ。
 現在の最賃の調整率は、2年前のGDP成長率に決定直前の1年間の全国消費者物価指数(INPC)を加えたパーセンテージ分(近似値)で計算されている。この方式の有効期間は、来年の最賃調整までだ。
 Redeの大統領候補マリーナ・シルヴァ氏や労働者党(PT)は、2020年以降も今の方式を継続すると答えた。民主労働党(PDT)のシロ・ゴメス候補はまだ、調整法を決めていない。また、ポデモスのアルヴァロ・ジアス候補は、応用経済調査院(Ipea)が算出する経済データを使っての最賃調整を検討しているが、他の候補は返答しなかった。ボルソナロ候補は、「代わりの良案がないのなら現状維持」だった。
 投資顧問会社ローゼンベルギ・アソシアード社の主席経済分析員、タイス・ザラ氏は、「2019年以降は、『払える社会保障の額はいくらか』などを考慮した上で、その時点の財政状況に見合う額の最賃を設定する方式に戻すべき」との見解を表明している。