ジェームズ・マティス米国防相が13日、ブラジリアに到着し、午前中はアロイジオ・ヌネス・フェレイラ外相、午後はジョアキン・シウヴァ・エ・ルナ国防相と会談を行ったと同日付ブラジル国内紙サイトが報じた。
マティス国防相のブラジル訪問は17日までかけて行われる南米歴訪の第一歩で、14日にはリオ市で講演も行う。リオ市では第2次大戦を記念するモニュメントも訪問する予定で、その後にアルゼンチンへ旅立つ。それ以降は、チリやコロンビアも訪問する予定だ。
ブラジルでは、マラニョン州アルカンタラの衛星発射基地建設問題とラ米の防衛問題が主要議題だ。ラ米の防衛問題の主眼は、ベネズエラについてと見られている。
ベネズエラでは4日午後、国家警備隊の81周年記念式典で演説中のニコラス・マドゥーロ大統領を無人機で狙う事件が発生。以後、野党議員1人とその他の19人が逮捕された。
野党議員のフアン・レケゼンス氏は7日夜、逮捕令状さえない状態で自宅に押し入った当局関係者により、学生運動リーダーで姉妹のラファエラ氏と共に逮捕された。
また、2月に国外追放され、コロンビアにいる野党議員フリオ・ボルヘス氏にも、逮捕令状が出ている。
マドゥーロ氏は12日に、ベネズエラの報道会社社主の息子で、米国カリフォルニアにいるオスマン・デウガド・タボスキ氏が率いるとされるテログループと、今回の大統領襲撃事件との関係を捜査するため、米国FBI(連邦捜査局)の協力を要請する発言も行った。
12日は、ベネズエラ国内でレケゼンス氏釈放を求める抗議行動も起きたが、同国政府は同日、レケゼンス氏がコロンビアでの反乱分子訓練者とされるライダー・アレクサンダー・ルッソ氏と接触した事があると語るビデオを公開した。野党議員らは、このビデオは拷問や薬物投与下で録画されたものに違いないとの見解も表明している。
なお、10日にはコロンビアで、就任直後のイヴァン・ドゥケ大統領が南米諸国連合(UNASUR)脱退を宣言した。同大統領は同連合を「ベネズエラでの独裁の共犯者」と批判しており、ブラジルを含む他の加盟国は早急に同連盟の方向性を協議する事を決めた。